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ナス(茄子) ナスは夏野莱の代表で6〜9月に多く出回る。最近は促成栽培などで一年中安定して生産され、季節感のなくなった野菜の一つになっている。本来、多年生草本だが、日本のように冬に気温の下がるところでは一年生になる。インド東部あるいは東南部が原産と推定されていて、原産地から東は中国ヘ、西は中近東、アフリカに伝播し、東西いずれも5世紀のころには最初の記録がみられる。ヨーロッパにはかなり遅れて、13世紀に伝えられたが、広く知られるようになったのは16〜17世紀に入ってからである。欧米では、地中海沿岸地方やアメリカ南部などでやや普及している程度である。 日本では8世紀に初めて記録がみられ、10世紀には盛んに利用されていたらしい。17世紀にはすでに早熟栽培が始まっており、かなりの品種が記載されている。ナスの根強い人気は、栽培のしやすさと、調理・加エヘの利用の広さによる。油との相性がよいので、炒め物や天ぷらなどに向く。また、潰物としての利用も多い。皮の青紫色はアントシアニン色素による。 【成分の特徴】ナスの用途はきわめて広範であるが、とりたてて栄養があるわけではない。糖質が主で、ビタミン類は少なく、ミネラル類もほかの野莱と比べてとくに多くはない。
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