そんな二条城の名庭「清流園」に建つ香雲亭に集ったのは、観世流シテ方・片山清司さん、友麻さんご夫妻に長男の清愛くん。そして、菓子舗「俵屋吉富」九代目主人・石原義清さん、あかねさんご夫婦。ご主人同士が小学校の同級生という、公私ともおつきあいの深い皆さんに、往時の粋人たちが楽しんだに違いない都流の「桜の宴」を催していただきました。
「嵐山吉兆」主人・徳岡邦夫さによる見事な「取肴」とともに往時の春の都の楽しみを再現。手提げの弁当箱は元禄・享保期以降、富欲層に好まれた形。七宝繋ぎの透かしの入った枠、木瓜形のお重とともに、小さくとも贅を尽くした大名調度を思わせる細工、意匠が映える。