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知っておきたい食事の心得

第五回 「箸休め

「箸休め」には、次の料理にそなえていったん箸を休め、口の中をさっぱりさせるという役割があります。料理の途中で箸先を清める意味もあり、汁仕立てのものが常套です。

 また、茶事では先付けから焼き物までが、お腹を満たす食事、箸休め以降が酒の肴という考え方もあり、いわば献立の折り返し点といってもよいでしょう 。

 今回の箸休めは、くみ上げ湯葉を用いた湯葉冷吸(れいすい)。とろっとした口当たりとまったりとした味わいが格別です。柚子(ゆず)の香りとつるりと冷たいのどごしが、 口の中をさっぱりと洗い清めてくれます。

 このように小さく深い器は、両手で持っていただいてもよいでしょう。

 フランス料理でも同じ意味で、メインディッシュの前にグラニテやソルベ(いずれも氷菓子) が出されたりします。

●一般に椀の蓋は折敷の外に置きますが、このように小さい器は、折敷の内側に置いてもかまいません。置くときは必ず右向うに。

 まず箸先を洗うような気持ちで、汁全体を軽くかき混ぜます 。具がある場合は、先に具をいただき、箸を置いてから両手で汁をいただきます。