吉兆おもてなしの器
 
たとえばお客様を迎える仕事  

 

吉兆おもてなしの器

お料理は、五感を使かってお楽しみ下さい。

吉兆で使われる器は、一つ一つが素材と同じに吟味され、 お客様のために選ばれたものばかりです。さりげなく出されるその器たちには、それぞれの歴史やエピソードが込められているのです。

たとえば、日本の重要文化財であったり、 吉兆だけのために創って戴いたものであったり…

〜楽焼〜

吉兆のおもてなしの器の画像

 樂茶碗は、侘茶の大成者千利休(1522−1591)が創意し、
それを受けとめた長次郎によって造り始められたとされています。

桃山時代より樂茶碗造りを継承する京都の樂家では、初代長次郎、二代常慶、三代道入、四代一入、五代宗入、六代左入、七代長入、八代得入、九代了入、十代旦入、十一代慶入、十二代弘入、十三代惺入、十四代覚入と代を重ね、現在は十五代樂吉左衛門氏に至っている。

この間、樂家歴代は長次郎以来の陶法を基本にしつつさらに各歴代が独自の技法を加えて茶碗を造り続けてきたのであるが、それら 樂茶碗に一貫しているところは利休以来の侘茶の心が受け継がれていることで、これこそ樂茶碗最大の特質といえる。


吉兆から皆さまに

 吉兆の美術館を初め各店では お茶碗 食器・将棋の駒等 長次郎から当代に渡って 数多くの作品を所有・使用させていただいており 大変感謝しております。

当代吉左衛門氏とは とくに懇意にしていただき 21世紀の 食文化についてや メンタルな事までアドバイスして頂いております。

また国内にとどまらず 海外ともコミュニケーションを持ち各国の時代背景 技術 慣習の比較から自分自信を見いだそうとするところに 尊敬の念をいだきます。

私共吉兆の大切なお客様にも樂家の歴史を感じて頂きたいと思っております。

吉兆のおもてなしの器の画像

 

吉兆のおもてなしの器の画像 吉兆のおもてなしの器の画像

 鎌倉時代に中国より宋鳳の喫茶法がもたらされてから室町時代末期頃まで、喫茶用の茶碗といえば、青磁や天目など、唐物茶碗であった。

しかし15世紀末頃から侘の茶風が興り、次第に形を成すようになると茶の湯道具にも変化が見られる。

たとえば信楽や備前などで焼かれた器が 茶具として見立てられたこともその一例であるが、それらが単なる容器として見立てられたのではなく、新しい茶風に適った茶具として選択されたことに大きな意味がある。

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 こうした新しい茶具に対する要望は急速に高まり、16世紀中頃には唐物茶碗とともに朝鮮半島で焼かれたいわゆる高麗茶碗が 見立てられ、使われるようになる。

また備前などの窯で茶陶が生産されるようになるのもこの頃である。さらに桃山時代、天正年間に至ると 美濃窯においても積極的に茶陶の生産が行われ、こうした時期に 樂家初代長次郎の茶碗もまた誕生したのである。

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