昼食36,750円コースの一例を紹介させて頂きます。
※献立内容は当日の仕入れ状況等により変更することがございますが、
ご了承の程、よろしくお願い申し上げます。
八寸
はじめに、オードブル的な物、夏の情緒を感じて頂く八寸を銘々にお出しします。
関西では8月15日を中心にお盆をつとめる事より、蓮の葉と花弁を使った八寸をお出ししております。
内容は、日によって変わりますが例えば、
有機栽培のオクラと焼霜した車海老香草風味ゼリー寄せ、
万願寺唐辛子豆腐、
スイートコーンゼリー寄せバルサミコ風味、
鮑の酢の物、
温泉雲丹山葵風味、
カリカリ鮴 等々。
6〜7種類のプチ・キュージーヌを一つ一つ工夫して彩りよくデコレートしております。
煮物椀
鱧はもう食べ飽きたという方には、薄塩した甘鯛やアコウを塩焼きにし胡麻豆腐と十六島(ウップルイ)岩海苔の薫りと共に御出しする事もあります。
挽きたての鰹出汁とご一緒に!!
出汁の原料は、美味しい水、私どもの為に選ばれた昆布&塩、私どもの為に作られている鰹節&醤油です。
出汁は、それぞれのその時々の素材を把握しそれにあったタイミング、火加減が重要です。
集中を要する仕事です。
お造り
鮑の薄作りを鮑の肝で作ったタレと、塩スダチでも楽しんで頂けるよう、共にお出ししてます。大変好評です。
北海道の砂原で水揚げされたトロをタタキにしてお好みで揚げニンニク共に食べて頂けるよう別に添えてサービスしております。
時によってはあつあつの鱧の落しを梅肉と共に召し上がって頂くのも美味しいです。
焼き物
中盤を迎え交響曲のように前半と後半をつなぐ大事なポイントです。
自家製(当然ですが)の雲丹豆腐が大変好評です。
万願寺唐辛子スープも好評です。
解禁直前には、脂がのっていなかった鮎ですが、8月に入り本当に型の良い鮎の旨みがたっぷりある物になってきました。
食べ方は、やはり備長炭での塩焼きが王道ではないでしょうか。
冷たいビールもしくは、シャンパーンと共に、あつあつをほおばりたいものです。
器として、ほうらくに炭を仕込んだ物をご用意することによって、はじめから食べ終わるまであつあつで召し上がっていただけるよう心がけています。
炊合わせ
炊合わせ代わりは、完全有機無農薬野菜の茄子、オクラ、万願寺唐辛子をさっと焼き、吉兆醤油をかけ、削り立ての鰹節をまぶしあつあつをそのまま食べて頂けます。
すごくピュアーな味がします。こういう事が出来るのも生産者、調理人の心意気です。
別のコースでは、冬瓜姿蒸も喜んで頂いております。
御飯
牛蒡御飯と鰻、鯛御飯、お豆腐と鱧のすき焼き、甘鯛の塩焼きと白御飯、玉赤出汁 鱧の雑炊などその日のお楽しみです。
御飯は、アルデンテに仕上げ蒸らしません。
その代わり水の割合は多めに成ります。
そのように仕上げると大変美味しく感じるのですがその美味しいタイミングが大変短くお客さまの召し上がるスピードに合わせる事は大変微妙で集中力、コミュニケイション能力が必要とされます。
一度味わってみてください。
おつけ物も当然食材を吟味し私どもで漬けた物をお出ししています。
今は、泉州で作って頂いている水茄子が最高です。
お菓子は、自家製の「水ようかん」、「宇治金時」、「宇治シャーベット」より選んで頂けます。
ご希望がない限り3年間位は旬のメインの物を除いて同じ献立に成らぬよう工夫させて頂いております。
ご予約の際に好き嫌いの嗜好、目的をお聞きできればお好きな物にアレンジさせて頂きます。
ワインにあわせてのアレンジも面白いですよね!
また、嵐山本店は部屋数が限られております。
誠に恐れ入りますが、2名様からのご利用・ご予約とさせて頂いております。
ご理解の程、何卒宜しくお願い致します。
海老と鮑の御向
鮑は柔らかくしすぎると旨みがすべて出てしまいます。
昔は、一度すごく柔らかくしてそれからもう一度鮑から出たエキスに味を付けしみこますと言うような料理法でしたがもっと単純に堅さと味のバランスを取り堅い部分には、深く切り目を入れてやる事によって適度な歯ごたえも残る柔らかさのある鮑に成りました。
海老の方は、昆布出汁にて皮霜(部分的)に食感味を変える為に表面だけ蛋白質を分解させて、甲殻類独特の旨みのあるアミノ酸に変える作業施します。
詳しくは、昆布出汁に塩を入れ沸騰させます。
そこに、殻の付いたままの生きた車海老を一気に入れます。
20秒くらいで薄ら赤くなりますので同じ濃度の冷やした昆布出汁にすばやく移し海老の温度を下げます。
蛋白質は、約20種のアミノ酸から類形成されているそうです。
ほとんどのアミノ酸は、人間にとっては、無味無臭もしくは、苦いそうです。
5〜6種類だけが人間にとっては旨み、甘みを感じるそうです。
生物が死ぬと蛋白質の分解が始まります。
温度や環境を調整する事によって分解が健全に促進します。
それと沸騰した所に瞬時に入れる事によって、蛋白質が収縮しアミノ酸絞り出され、分解状態に成ると考えています。
甲殻類には、特にタウリンや琥珀酸という人間にとっては甘みを感じるアミノ酸が多くふくまれているそうです。
蛋白質の分解を微妙に促進する事によって美味しい車海老に成ると考えれますし、実際美味しいです。
あと、塩(NaCl)を入れる事によってNaと反応して旨み成分を増やす事もあるそうです。
冬瓜姿蒸し
冬瓜の別名は、カモウリとも呼ばれており原産はジャワ島だそうです。
日本でも古くから食されていいたそうで、黄色い花が夏に咲き、果実は直径20〜30センチ、長さ30〜50センチにもなります。
種子は「冬瓜子」という生薬になるそうです。
「冬瓜の花は咲いても百に一つ」ということがあるそうで、一つの蔓に無数の花をつけるが結実するのは数個であり、無駄花、アダ花が多いことの例えになっているそうです。
「親の意見と茄子の花は、千に一つの無駄もない」といわれるナスとは正反対ですね。
冬瓜にはダイエットに優れた効果があるとの研究結果が発表されています。
今後メーカーと協力して製品化されるかも知れませんね!
古くから冬瓜は唾液の分泌を促進し、胃を守る効用があるといわれてるそうですが、最近では、冬瓜にはビタミンB群・Cおよびカルシウム、燐・鉄が含まれている事が明らかになったそうです。
その中のビタミンB群は体内のでんぷんが熱エネルギーに転化するように促すことが出来、脂肪にならないのでダイエットするには役立つということです。
冬瓜の食べ方はいろいろありますので、ダイエットのために毎日食べても良いのではないかと思われます。
京都吉兆は、厳選した物の種を外し姿のままでシンプルに蒸します。
種が入っていた部分に鶏スープ、干し椎茸、牛蒡、人参、嵯峨豆腐を調味し葛でとろみを付けた出汁を入れあっさり目に焼いたふかふかの鰻の蒲焼きを添えお客さまにお出ししています。
召し上がり時にとりわけ度々お代わりして頂いております。