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総料理長 徳岡邦夫 コラム
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ご挨拶総料理長 徳岡邦夫GREETINGS from executive chef Tokuoka Kunio

京都兆は
“ 日本料理を通じて 世界や未来の人々に必要とされる 日本文化の創造 ” を使命と考えています。

日頃より皆様のご愛顧に心から感謝申し上げます。

2030年11月21日。
湯木貞一が、大阪の新町で小さな日本料理店「吉兆」を創業してから、100年を迎える日です。

「吉兆」は、茶事で提供される懐石を礎とした日本料理店でありながら、キャビアやフォアグラ、フカヒレなども用い、他ジャンルの食も柔軟に取り入れながらも、誰もが認める“日本料理”に仕立ててきました。
また、1989年には、シャンパーニュメゾン-オーナーの一族を迎え、シャンパーニュと“日本料理”との公式なペアリングを初めて行ったのも「吉兆」です。

「お客様に喜んで頂ける事」を敏感に鋭く感じとり、最適なモノやコトを提供する事こそ大切と考え、従来のスタイルや、伝統という固定概念にとらわれる事なく実現してきたからこそ、100周年を迎える事が出来るのだと、深い感謝の思いと交差して、感慨深い思いでいっぱいです。

それは、派手なパフォーマンスや目新しい事だけを追うと言う事ではなく、新しい食材や最先端な技術、新しい組合せであっても、一旦取込み、更に、諦めず、納得してもらえるまで、料理の本質を極め尽くして、将来的に沢山の方々が求め、必要とされ続ける形に昇華させる。つまり、日本文化として語り継がれる所まで創りあげたいと考え、実行し続けて来たからこそ、100年間、“吉兆流”の継続が可能になったのだと考えています。
茶道の歩みに通じる「日本文化の創造」です。

料亭の伝統的な技や感性、知恵だけでなく、目の前のお客様に対して、今の出来る限り、全ての持てる力を尽くして喜んで頂こうとする事が“吉兆流”と考えます。

「常識にあらず」、まさに湯木貞一は、それを体現してきた人で、新しい日本料理の世界を切り拓いて来ました。

京都吉兆としても、激動的に価値観が転換している現在を鑑み、その先の新たな価値に対応しようとしています。
最近では、コンビニエンスストアとの、これからの社会に必要不可欠な商品の開発や、老舗シャンパーニュメゾンや海外シェフとのパラダイムシフトした先の価値観を追求するコラボイベントなど、多様な企画に参画しています。

ただ湯木貞一の頃とは環境も社会的なルール、価値観も変わってきていますので、更なる工夫や表現が必要ですし、タイミングやスピード感、手順なども大切だとも感じています。
また、世間では当たり前とされている事、科学的にも優れていると言われる調理法や食材についても疑問を持ち、実際に自分達で比較検討し、生産の現場にも赴き、本当に健全で継続性もある良いモノを選択する事も京都吉兆がなすべき役割と考えています。 環境の変化や時代に合わせて柔軟に形を変えながら適応する事は、より多くの人に求められ続ける為には不可欠であり、その全てが、これからの“吉兆流”に必要だと考えます。

そして、100年周年を4年後に迎える、今だからこそ、「常識にあらず」を再び問いかけ、適応しながら、その先に進化し、次の時代にも繋がる為に研鑽を重ねて参ります。
これらの取り組みは、激動の100年の歩み、お客様と社会に向き合い続けてきた歴史があるからこそ実現できるものと確信しています。

本年から本格的に100周年に向けての準備が始まります。
“お客様に喜んで頂く為"と言う事を、深く考え、試してみて、やり直し、スタッフ一同、100周年のその先も、更に精進して参りますので、今後とも京都吉兆を、よろしくお願い申し上げます。

2026年4月 徳岡邦夫

徳岡邦夫
京都兆 総料理長

1960年生まれ。「兆」創業者湯木貞一氏の孫にあたる。
1980年から本格的に修行を始め、貞一から料理の核心を学ぶ。
1995年から総料理長として現場を指揮し、2009年には株式会社京都兆 代表取締役社長に就任。
2004年頃より海外の料理イベントにも積極的に参加し始め、2008年にはG8(洞爺湖サミット)にて社交晩餐会を担当。
国内では、地域活性化や第一次産業の現場における様々な課題解決に取り組み、現在、文化産業科学学会・名誉理事や東京農業大学・客員教授も務める。
伝統を守りながらも時代に即した食への多方面からのアプローチに挑戦し続け、日本料理に多彩な演出、提案を行い、日本食の啓発に尽力する。

詳しい経歴<経歴>

2004年 イタリアにてスローフード協会主催 “食の祭典”「サローネ・デル・グスト」へ参加(2006年にも参加)
2005年 スペインにて「マドリッド・フュージョン」へ参加
2007年 アメリカ・カリフォルニアにてCIAによる料理会議「THE RISE OF ASIA」へ参加(2008年にも参加)
2008年 NPO団体 ジェームス・ビアード財団より日本人初の「ジェームズ・ビアード・アワード」に選ばれる
北海道・洞爺湖で開催された首脳サミットG8にて社交晩餐会を担当
2009年 株式会社京都兆 社長就任
「世界料理サミット2009 TOKYO TASTE」に日本代表として参加
京丹後市専門委員(政策企画委員)就任
イギリス・ロンドンにて 「うま味サミット in ロンドン」へ参加
『ミシュランガイド 京都・大阪』にて嵐山本店 三つ星・HANA兆 一つ星評価
2010年 アメリカ・カリフォルニアにてCIAによる料理会議「World of Flavor Conference &Festival」へ参加
2012年 『ミシュランガイド北海道 特別版』にて洞爺湖店 二つ星 評価(2017年特別版でも同評価)
2013年 アメリカ・カリフォルニアにてCIAによる料理会議「World of Flavor Conference 2013」へ参加
2015年 イタリア・ミラノ万博に参加
国際連合食糧農業機関 (FAO) の依頼によりイタリアにて特別講演を行う
文化産業科学学会 名誉理事就任
2016年 シャンパーニュ騎士団 第7回叙任式典にてオフィシェ受章
東京農業大学 客員教授就任
みえの食国際大使に就任
2019年 『ミシュランガイド愛知・岐阜・三重 特別版』にて名古屋店 一つ星 評価
農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」第4回シルバー賞 受賞
2024年 農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」第4回ゴールド賞 受賞
イタリア食科学大学の「アカデミックテーブル」に参加
観光庁「日本的寛容の発見事業」ウェルカムレセプションにて料理を提供

著書のご紹介<著書>

2007年 「春の食卓」(バジリコ)/「夏の食卓」(バジリコ)/「秋の食卓」(バジリコ)/「冬の食卓」(バジリコ)
2009年 「嵐山兆 男子の台所」(バジリコ)
「おいしい野菜の見分け方」(バジリコ)※ 環境保全型農業の第一人者、西村和夫氏と共著
2010年 「京都兆」(講談社インターナショナル) /「KITCHO」(講談社インターナショナル) ※「京都兆」 英文版
「花鳥風月みな料理なり」(学生社)
「京都兆 仕事の作法」(PHP研究所)
「酒のつまみ」(文藝春秋)
「文庫版 四季の食卓」(文藝春秋)
2013年 「料亭「兆」を一代で築き、日本料理と茶の湯に命を懸けた祖父・湯木貞一の背中を見て、孫の徳岡邦夫は何を学んだのか」(淡交社)

京都吉兆について沿革・歴史