2025.07.01
永井酒造の特別酒「水芭蕉D’s Vintage」 お披露目食事会を嵐山で開催。
“熟成日本酒” ワインに負けない世界を制する可能性を見た!
群馬県川場村にある、創業約140年を迎える「永井酒造」。
その「永井酒造」の永井 則吉蔵元が満を持してリリースした日本酒が、「水芭蕉D’s Vintage」。
過去8年間で造り上げた日本酒を数種類アッサンブラージュ(ブレンド)した純米大吟醸酒で、華やかな⾹り、上品で優しい⽢味、ほのかな酸味もある多層的な味わいが素晴らしい日本酒です。
この「水芭蕉D’s Vintage」は、「ダイナースクラブ」が実施している、日本各地の魅力ある商品やプランを紹介する「ふるさと ときめきプロジェクト」企画から生まれたコラボ商品で、この特別なお酒のお披露目会を嵐山本店で実施いたしました。
6月17日、梅雨の晴れ間の暑い日、永井酒造の蔵元夫妻、三井住友トラストクラブの五十嵐幸司社長を含め20名ほどのゲストをお迎えし、世界をターゲットにした新しい日本酒を酌み交わしました。
永井酒造の永井蔵元は、「世界に通用する日本酒を造りたい」と、シャンパーニュ製法で造る、日本では珍しい発泡性清酒「MIZUBASHO PURE」を2008年にリリース。そして、製造年度内に飲むことが普通だった日本酒の概念を覆し、古酒ではない、熟成酒の開発にも力を入れ、熟成期間の違う数種類の日本酒をアッサンブラージュして造り上げたのが今回の「水芭蕉D’s Vintage」です。
私は兼ねてから、低温熟成した熟成日本酒は、「ワインに匹敵する魅力がある!」「世界で通用する飲み物になる!」と提案し続けて来ました。その理由として、日本酒は、日本各地で古くから造られ、その土地ならではの特徴、土壌だけでなく、酒蔵別の菌が醸し出すテロワールがあります。そして、何より、ワインと同じで、その年に造られたモノは、数年後、造り直す事が出来ません。消費されて本数が減っていく事で希少価値を上げながら、年々表情を変え芳醇な香りや風味を深めていきます。それこそが、熟成酒の1番の魅力です。
ワインより日本酒の方がその変化は繊細で、保管温度と熟成期間の効果も確立していませんので、とても微妙になりますが、それが、とても面白く、可能性を感じます。世界の食通達、感性の豊かな方々から、注目を集める事は間違いありません。
今回、料理に合わせたのは、「MIZUBASHO PURE」と「水芭蕉D’s Vintage」の2種のみでしたが、提供温度を変えてペアリングしました。
中でも皆さんに興味をもって頂いたのが、“燗酒”。今までの感覚では、純米大吟醸酒の熱燗(60℃程)は、繊細な素晴らしさが損なわれて勿体無い、とほとんど行われてこなかったので、日本酒の概念を覆すものです。その希な経験である純米大吟醸酒「水芭蕉D’s Vintage」の熱燗は、苺の様なラズベリー風味の甘酸っぱい味わいがあり、こんな酸味を日本酒で感じる事は、今までありませんでした。また、なぜその様な風味が醸し出されているのか原因もわからず、蔵元も、「偶然出来上がった味わい」と言っていました。
まだまだ、未完成で、賛否両論もあると思います。
「こんなのは日本酒じゃない」と言う意見もあると思いますが、今まで素晴らしいとされていた常識的な感覚を飛び越えパラダイムシフトする事で、新たな常識が生み出されるのだと考えています。
その為には、沢山の方々に必要とされるモノでなければなりません!
世界中で日本料理が、また日本的な発想の料理が注目を集めている今、日本料理だけでなく、より軽く、健全に美味く、健康的な料理に合うお酒は何かと考えた時、熟成日本酒には大きな可能性があると考えています。
飲む温度を変える事で、マッチングさせる料理、メンバーやシチュエーション、目的も変える事も出来る。日本酒は、燗をすると、異次元に連れて行ってくれる世界でも珍しい酒。特に大吟醸酒の燗酒は、体を温める=腸内環境を良くする。健康的であると言う事からも、これから世界的に普及、浸透していき主流になる可能性に満ち溢れています。
食を含め日本文化は、世界から見たら異質で、異端で、価値観が全然違います。島国で、鎖国で他の国々とは交流が少なく、シャイな人柄と性格。国内でも集落ごとに協力して暮らし、寛容で、助け合いの価値観が徐々に広まり、必要とされ継続されて、積み重ねて日本文化となったのです。
だからこそ、他国とは価値観が違い、とても不思議で興味深い。だからこそ日本独自のアニメや食、地方文化等々は、今、世界から魅力的に感じられているのでしょう。
他と違うけど役に立ち、必要とされ求められる。非常識に見えるけど、可能性があり未来があると、私は考えています。
それが、日本酒であり、熟成日本酒だと思います。
日本酒は、健全に広く伝わる事によって、これから世界中で食中酒として楽しまれ続けると思います。
「水芭蕉D’s Vintage」との出会いが、未知数の魅力を実感するあたちあ機会となったならば幸いです。