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特集日本文化創造プロジェクト嵐山本店 座敷「待幸亭」大改修
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総料理長 徳岡邦夫 コラムCOLUMN from executive chef Tokuoka Kunio

2023.07.22

令和5年夏季展 「漆と蒔絵 -茶道具の伝統とオリジナルデザイン-」

“漆”の茶道具コレクション。
伝統的な作品から創造的な作品などを展示
湯木美術館 「漆と蒔絵-茶道具の伝統とオリジナルデザイン」 展


※ 画像の著作権は、公益財団法人湯木美術館にあり、無断転用を禁じます。

吉兆の創業者、湯木貞一の茶の湯のコレクションを公開している公益財団法人-湯木美術館では今、「漆と蒔絵-茶道具の伝統とオリジナルデザイン」が開催されています。
16~17世紀、室町~江戸時代初期にかけて、茶の湯では、唐物と呼ばれる中世から近世にかけて尊ばれた中国製の漆器や、古い時代の化粧道具の手箱類を茶道具に見立てるなど、漆器が取り入れられる様になり、様々な漆の茶道具が製作された時期でした。
漆の技術が舶来品の影響で多様になり、蒔絵作品の需要が広がると、オリジナリティある製作者の作品が注目される様になります。
やがて、箱や作品に作者の書付けが行われる様になり、作者名とデザインが結びついてブランド化していった時代でもありました。
今展では、研ぎ出し蒔絵を得意とした山本春正の「秋草蒔絵雪吹」や、漆絵に刃物で文様を彫り、この痕に金箔や金粉を押し込む沈金を施した「唐物存星菊花形盆 嘉靖年製」、手箱を転用した「猿鶴蒔絵茶箱」など約40点が展示されています。
漆を施した作品は、今では需要も職人も減ってしまい、身近な存在ではなくなってしまっているかもしれません。
今回、嵐山の座敷「待幸亭」の改修をして、漆職人の方から、繊細な職人の仕事や現状などについていろいろお話しを伺いました。
「手間も時間もかかり、職人だけでなく原材料も入手しにくくなっていますが、“美しい”仕上がりを見ると、やはりいい仕事だな」と思うとーー。
同感です。。
日本文化を守る職人さんとその技に、改めて感動し、漆の素晴らしさを実感しました。
日本の漆文化の歴史を顧みる事も出来る貴重な展示です。
一つ一つ丁寧に作品の紹介もされているので、茶の湯に詳しくなくても十分に楽しめると思います。
お近くにお越しの際は、是非、覗いてみてください。


会 期 … 2023年7月1日(土) ~ 8月6日(日) ※ 毎週月曜日休館
開 館 … 10:00 ~ 16:30 [入館 16:00まで]
入館料 … 一般 700円 / 大学生 400円 / 高校生 300円
アクセス… 公益財団法人 湯木美術館
電 話 … 06-6203-0188
湯木美術館HP 夏季展についてはこちら


― 湯木美術館について ―
初代館長であった湯木貞一は日本料理店「吉兆」の創業者でもありました。
湯木は料理と茶の湯を人生の両輪とし、料理と共に茶の湯の研鑚も重ねて、茶事・茶会を催すかたわらで
茶の湯の道具の収集にも心を傾けました。
湯木美術館はその湯木の茶の湯のコレクションを収蔵し、展示しています。
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