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総料理長 徳岡邦夫 コラムCOLUMN from executive chef Tokuoka Kunio

2023.08.15

HANA吉兆 「祭釜」

今年も祇園祭の宵山-宵々山、つまり7月15-16日に、祇園のHANA吉兆では、“祭釜”を開催しました。

立礼の茶席とお食事を楽しんで頂く、祇園祭の時だけの特別な催しで、女将と店舗のスタッフがいろいろ話し合い、器や道具を選び、料理も京都の夏を涼しく感じて頂ける様に工夫させて頂きました。

祇園祭では、宵山の頃、山鉾町にある旧家や老舗がそれぞれ所蔵する美術品・調度品などを飾り、公開するので、別名「屏風祭」と呼ばれています。
その風習にも習い、HANA吉兆の祭釜では、京都吉兆が所有するお道具や屏風も公開しました。お茶とお食事だけでなく、特別な祇園祭体験となったと、お客様から好評を頂きました。

エントランスのエレベーター前には、祇園祭の山鉾巡行の先頭を行く、「長刀鉾」の、その上部に取り付けられている藁で出来た飾り物の“赤熊(しゃぐま)”を展示。
入手も困難で、厄除けの意味合いがあると言われています。
町人が祇園祭を楽しむ様子が描かれた屏風は、江戸時代のものです。
主茶碗は、赤樂茶碗 銘泉声 直入作。

毎年、花見小路の有名なお茶屋「一力亭」さんにて、表千家さんが、“祭釜”を開催する際に、毎年、主茶碗を樂さんが作られており、数年前にご縁があった茶碗です。



お菓子は、毎年変わるのですが、祇園祭のお守り”粽”の形を模した求肥で包んだ蓮餅を、団扇型のお皿で、夏らしく可愛らしく涼やかに。
HANA吉兆の祭釜を楽しみにしてくださっているお客様も多く、お道具、お料理、女将の着物までお褒め頂きました。

暑い、暑い今年の祇園祭ですが、「涼しげな空間で、素敵なひと時を過ごせました」とのお言葉も頂き、スタッフもとても良い経験をさせて頂きました。ご来店に感謝申し上げます。

祭釜は、今年の経験を踏まえ、来年も実施を予定しております。
詳細決まりましたら、また御案内させて頂きます。