2026.03.02
嵐山には有名な竹林もありますが、お店で使う筍の竹林は、 林と言うよりも、あたかも畑といった風情。
1本1本の間隔が広くとられ、盛り土を練り返した土壌は、ふくらはぎまで潜りそうなほど、フカフカとしています 。
フカフカしているからこそ、柔らかい筍が生えてくるのです。
味をよくする為に施肥にも気を遣います。
収穫時期は4月から5月の約2ヵ月ほどですが、それ以外の月は、ほとんどを林の手入れに費やすわけです。
手間暇をかけない自然のままの竹林では、程よい食感に香り豊かでうま味たっぷりの筍は望めないのです。
京都の筍が美味しいと言われる所以は、水はけが良く、かつ保水性もある粘土層の土壌と、寒暖差の大きな気候、そして「京都式軟化栽培法」と呼ばれる育成方法にあります。
要は「土」です。
粘土質の細かな粒子を、有機物を使って「フカフカの団粒構造(粒子が固まった状態)」にする事が鍵です。
また、堆肥や腐葉土などを粘土と混ぜる事で、土壌中の微生物が活性化し、隙間を作りながら粒子を固めて団粒構造を作ります。
更に、粘土粒子が非常に細かい場合は、砂などの物理資材を混ぜる事で、土壌粒子間に隙間を作り、排水性を大幅に向上させます。
また、もみ殻を混ぜ混むと通気性が確保され、徐々に分解されて土を柔らかくします。
そうする事で、通気性の良い柔らかい土壌や根が酸素を吸いやすくなり、美味しい筍を育むのです。
そして、5月中旬〜6月中旬頃には、5〜6mに成長した親竹の先端(穂先)を折って成長を止め、養分を地下茎へ送るようにします。秋から冬にかけては竹林に藁を敷き、土を被せて日光を遮断するなど、翌年の上質な筍の収穫のために、手間暇をかけるのです。
また、日光に当たると硬くなってしまうので、朝掘りの収穫にこだわっているのも、美味しい理由の一つでもあります。
料理のコツは、筍が新鮮かどうかに尽きます。
京都吉兆では、嵐山本店から程近くに筍の産地があることから、いつ掘って、何時に厨房に届くかを確認し、湯を沸かして待つほど。
筍は、とにかく鮮度が何より大事なのです。
筍御飯や鍋などの筍料理は、オンラインストア「京都吉兆の贈りもの」にて3月より順次販売を開始いたします。
ぜひ、京都の春の味をご賞味ください。
▼オンラインストア「京都吉兆の贈りもの」
https://shop.kyoto-kitcho.com
※この文章は、2011年に発刊された『京都吉兆KYOTO KITCHO』からの文章を一部抜粋し、加筆したものです。
