2025.10.30
シャンパーニュの卓越した技術と日本の伝統的な醸造技法が融合した日本酒「IWA 5」。
2025年、新たにリリースする新酒のお披露目食事会を開催しました。

元ドン ペリニヨン醸造最高責任者、リシャール・ジョフロワ氏とは、「ドン ペリニヨン1990」の発表会が、京都吉兆嵐山店で開催された1998年からのお付き合いです。
28年間、醸造最高責任者を務めた後、彼が2020年に富山県で立ち上げた日本酒ブランドが、「IWA」。
シャンパーニュ造りの「アッサンブラージュ」(ブレンド)の技法を日本酒に初めて応用し、異なる酒米と酵母をブレンドする事で、複雑で深みのある味わいを実現しています。
2023年の秋に、嵐山まで挨拶に来てくれて、世界マーケットでの食の嗜好の変化や動向、キャビアと日本酒は、相当相性が良い事など、意気投合して、2024年の秋に1回目のコラボ食事会が開催されました。そして更に、洗練された「IWA 5」が仕上がったと言うので、先日10月7日、今年のお酒のお披露目となる、食事会を開催しました。


昨年に続き、ジョフロワ氏も参加しての特別な食事会です。
今年は、メイン食材に旬の“松茸”を据え、発酵から生まれる“うま味”をテーマに献立を造り、「IWA 5」とのペアリングを楽しんで頂きました。
「IWA 5」は、数種類の種酒と言われる日本酒をワインの様にブレンド=アッサンブラージュして造られる日本酒で、単一酒で造り上げるこれまでの日本酒の概念を変える、世界のマーケットをターゲットに見据えた日本酒です。
華やかな香り、しっかりした飲み口、そして日本酒特有のうま味も感じられる純米大吟醸酒。これを実現する為には、厳格で精密な調整が必要で、更に、ジョフロワ氏の「日本で造った日本酒を、世界に広めたい!」と言う、熱い情熱を以って造られているのが「IWA 5」です。

今回提供されたのは、昨年リリースされ、ボトリングされてから約2年半熟成された「アッサンブラージュ5」、今年リリースされる約1年半熟成の「アッサンブラージュ6」。そして、今年から限定数ですが市場にリリースされる特別な「IWA 5 Reserves」の3種類。どれも、ジョフロワ氏が語りだしたら、ドンドン熱が入り止まらなくなる自信作です。
ブレンドする種酒のクオリティは、勿論大切ですが、その組合せやバランスが更に大事なんです。
熟成されたクオリティの高い種酒の効果で、味も香りもリッチなのに、絶妙な酸味を持つ種酒を組み合わせ、バランス良く醸し出す事によって、複雑かつ奥深い味わいで余韻が長く続くのに、洗練された精緻さが気品を生み出し、心地よい軽やかさを感じさせる絶妙なバランスの仕上がりになっています。
ブレンドに使う種酒は20種類あり、全て精米歩合35%の純米大吟醸酒なのですが、酒米、産地、酵母、組合せやその比率、製法、熟成加減、酸味の有無、様々な特徴の立つ種酒を繊細に見極め、絶妙なバランスでアッサンブラージュする技と感性は、流石です。ジョフロワ氏にしか出来ない事です。
熟成酒をアッサンブラージュし、日本酒の価値を引き上げる「IWA 5 Reserves」は要注目!!
今回の食事会で提供されたどの「IWA 5」も、昨年よりさらに美味しくなっており、特にこの食事会が初お披露目となった「IWA 5 Reserves」は、平均4年半以上にわたり個別に瓶詰・熟成された原酒をアッサンブラージュした特別酒で、複雑で奥深さがあり、瓶詰めしてから更に熟成が進むという、今後が楽しみな日本酒です。
京都吉兆の飲料アドバイザーであり、当日サービスも担当してくれた岩田渉ソムリエ曰く、「様々な食材と味、テクスチャー、香りがある料理が盛り込まれた八寸にワインを合わせるのはとても難しいものですが、「IWA 5 Reserves」は、味わいが多層的で、バランスが良く、どの料理とも相性がいい」と高評価。
日本酒は、酒器や、飲む温度帯によって味わいや料理との相性も変わり、表情が変化するのが魅力。今回は、最初はキンキンに冷やしてワイングラスで提供し、だんだん温度が上がり、香り・味・テクスチァーの表情が豊かになりました。お向、お椀、造里、にぎり、八寸、松茸焼きを合わせ、後半、60℃の熱燗を、大振りの徳利と筒型の備前杯で提供し、2種類の牛肉を2種の調理方法で仕上げた焚合とペアリングしました。


大吟醸を熱燗にする事はあまりないと思いますが、「IWA 5 Reserves」のフルーティな味わいは、温める事でより華やかでコク深いクオリティになりました。冷たい時には、発見出来なかったポテンシャルを発揮してくれます。
ジョフロワ氏も、顔をクチャクチャにして大喜びでした。


また、「IWA 5 Reserves」に合わせ松茸を焼き始めると、「香りだけでお酒が進む」と召し上がる前からペアリングを楽しむゲストが続出!意外にも女性のお客様が多かった食事会でしたが、皆様しっかり味わわれた様で、用意した25本のボトルは全て空となりました。つまりお一人1本以上、飲まれたと言う事。私もしっかり堪能させて頂きました。
「IWA 5」、「IWA 5 Reserves」は、数が少ない限定酒ですが、勿論、嵐山本店の日本酒リストに掲載させて頂いています。「IWA 5」、「IWA 5 Reserves」と京都吉兆の料理を、よりマッチングされたい方は、予約の際に伝えて頂けますと、合わせた季節の料理を工夫いたします!
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京都吉兆 嵐山本店
TEL:075-881-1101 [10:00–21:30|水曜日 10:00-14:00]
【岩田ソムリエのテイスティングノートより】

IWA 5 アッサンブラージュ5
穏やかな洋梨のようなフルーツのアロマに、ジャスミンのような華やかな芳香と、ややホワイトペッパーのようなスパイシーなニュアンスが加わる。アーモンドドゥーブルからメースのような香りなどとても多層的で複雑。
味わいは、滑らかな口当たりとともに、軽やかな甘みと旨みを思わせる繊細な苦味がコントラストとなり、深みを与える。伸びやかな酸が非常に長い余韻へと誘っていく。
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IWA 5 アッサンブラージュ6
よりフレッシュでピュアな香りが印象的。
洋梨や黄色いプラム、白桃といったフルーツのアロマと共に、スイカズラの様な甘美なフレグランスに、ほんのりとセルフィーユや青竹を思わせるようなハーバルな印象が、香りのフレッシュさをハイライトする。
フレッシュで生き生きとした活力感のあるような酸を感じさせ、よりドライな味わいに仕上がっていると共に、中盤からはフルーツのフレーバーだけでなく、華やかさやシナモンのようなスパイス、白玉のような米由来のフレーバーなどが多層的に広がっていく。
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IWA 5 Reserves
熟成された様々な原酒より生み出された究極の一本。
熟した桃やアプリコットのようなアロマと共に、ヘーゼルナッツやアーモンドのようなナッツのニュアンスに、鳳凰単叢のような烏龍茶の茶葉や仄かに石灰のようなミネラル感も。
味わいはまさに完成されたような究極のバランスを持つ。複雑で多層的でありながら、クリスタルのような透明感も感じられる。繋ぎ目のない、シームレスなテクスチャーがこのお酒の完成度の高さを示している。奥深く、非常に長い余韻をもつ。
【料理説明】
✦ 向付 – 伊勢海老4種 [寄向 光琳竹皮 銀波 紅葉]
一. 焼霜2切、昆布出汁霜2切、揚げ3切
角生姜、菊菜、花弁茸、トマト、オクラ、紅芯大根
土佐酢ゼリー、出汁カスタード、カカオニブ
二. 伊勢海老ビスク吉兆風味 昆布〆伊勢海老2切
バター風味カリカリパン粉、燻製生クリーム、南瓜、ムカゴ、殻揚粉
写真の器は、魯山人割り山椒(名残の趣向)

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✦ 煮物椀 [四君子椀]
丸汐出汁、焼フカヒレ、胡麻豆腐、針葱、生姜別付

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✦ 造里 [歴代樂焼4種]
鯛鹿の子造り 薄さを変えて2種
あしらえ – 小松菜、豆苗、椎茸浸、ちり酢、柚子胡椒、山葵、海苔寄
・ 冷蔵 – あん肝タレ
・ 冷凍 – 苦瓜醤油

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✦ うま味キャビア [キューブガラス 八角朱色盆]
アルデンテ玉葱、焼椎茸マッシュ吉兆風
うま味キャビア=12g+スプーン2g
アサツキ、揚げ米別付

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✦ 八寸 [黒盆-花屏風飾 虫籠花飾]
一. 鯖、粉唐墨、モロヘイヤ
一. 鮑肝糸コン、焼胡桃、肝醤油漬
一. 炭火塩焼鶏 – 発酵柴漬、蔓紫、大葉、茗荷
一. 生バチ子、燻製ホイップ、イブリガッコ、万願寺、ふり柚子
一. 牛頬肉サンド – 酸茎、胡麻
一. 海老-ブルサン鮒ずし – 焼椎茸、アサツキ
一. 鯛腸塩辛磯辺巻き、サフランゼリー

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✦ 炊合 [土鍋]
ロースたれ焼、しゃぶ厚切りフィレ肉
揚里芋、玉葱、焼天然舞茸、芹
・ 鶏汐とろ出汁を座敷で

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✦ 御飯
鰻御飯、鈴子かけ、澄バター別付

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✦ 漬物
梅蕪、昆布、壬生菜
✦ 果物スープ
洋梨コンポート+牛乳
・ 泡立てて
レミーマルタンVSOP別付
✦ 果物
柿、メロン、葡萄、新甘泉-梨、無花果
✦ お菓子 – 濃茶
一. 焼き栗 [手籠 栗葉]
二. 蕨餅、薩摩芋モンブラン [サンルイ]
抹茶
塩番茶