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ピュアリゾット

米を昆布だしで炊いてリゾットに仕立てた、徳岡氏担当の食事替りの一品。リゾットの炊きあがりに少量のバターを加えてコクをプラスし、旨みと香りに厚みを持たせた。カツオ節、甘辛く炊いた昆布、カブの葉の漬物、そして白トリュフを豪快にトッピングして提供する。




甘鯛 甲殻類のソース

初秋から冬に旬を迎えるアマダイをムニエルにし、ヴァニラ風味の甲殻類のソースを合わせたジェローム氏の一品。ウロコをパリッと立たせる日本料理の油焼きの手法に着想を得て、ウロコをつけたままパリパリに揚げた皮を添えている。


今回の取組みを終えて
徳岡邦夫氏

今回の取組みはとても有意義なものでした。初めて扱った鳩は、ジェロームさんの「血の風味こそ鳩の本質」という意見を参考に、助骨をつけた状態で丸焼きにして骨の髄に詰まった旨みを引き出し、本来の力強さを表現できたと思います。と同時に、2種のソース---鶏、昆布、鳩の旨みを組み合わせたものと、シュンギクの風味をきかせたもの---を添えて、野性味や味の強さだけでなく、鳥類ならではの筋肉質の繊細な旨みも際立たせ、鳩を日本料理の枠の中で調理できたと思います。
また、八寸、茶碗蒸し、リゾットでは、チーズやバターを使い、私が日頃からテーマにしている、旨み成分の有効活用も表現できました。旨み成分は、異なる数種---たとえば魚とチーズの旨み成分---を組み合わせることで相乗効果をもたらします。この相乗効果を活用すれば、油脂分を最低限にとどめても、味覚を満足させる味わいを作ることができる。つまり、旨みの相乗効果は、ヘルシーでおいしい料理を生むのです。

雑誌名:月刊「専門料理」1月号 / 刊行元:株式会社柴田書店

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