焚合-筍、若布、一寸 春になると、京都の一番大切な食材は木の芽と筍だ。鰹節と春の筍と一緒に煮ていくと、春にしか味わえない筍と鰹節の食感はとてもしなやかだった。大分県にある、長さ2.5センチ程度の一寸豆も加えられ、最後に香りの良い木の芽を加え仕上げる。 八寸-鮑酢、ぬた、椎茸このこあえ、厚焼玉子、海老、牛舌、鯛磯辺巻 懐石料理のメインは八寸である。八寸は本来、お茶事の懐石で八寸(約24㎝)四方の大きな器に盛られた酒肴料理のことだが、現在では一般に季節の趣向を盛り込んだ料理を表現する言葉として広く使われている。牛舌、海老、ぬた(器として使われた蛤の貝殻の上には金箔が貼られている)、厚焼玉子、鯛、アワビ、米油をかけたきのこなどなど。八寸が運ばれて来た時、部屋の明かりは暗くなって、大根で作られたキャンドルが目に入って、ブルーの灯りは柔らかい雰囲気を醸し出していた。視覚と味覚で最高の演出をする八寸だからこそ、このようなアレンジがあったのだろう。 焼き物-稚鮎、焼き二丁、揚げ二丁 鮎は京都の名物だが、春と夏の間頃は、まだサイズは小さかった。「焼き二丁」の鮎はサイズが小さい事ため一口で食べる事ができる。頭も尾もあるが、桂川で獲れた鮎なので新鮮で柔らかく甘かった。揚げ二丁は揚げ物なので、香りが良く、食感もカリカリしていた。 御飯―筍御飯、肉つけやき 春の筍とだしを入れた御飯の表面には少し油の輝きがある。筍と御飯は食欲を誘う香りがする。この御飯さえあれば、人生で他に求めるものはない。添えられた京都和牛は日本の和の精神を強調していた。コース料理の中で、八寸は美しい主演女優であれば、筍御飯は地味な主演男優だろう。 最後に、動作がとても上品なスタッフさんは私達が御飯を気に入ったことを知り、お替りをしてくれた。私達がお店を出ようとした時、私達にお辞儀をした方からもらった名刺を見ると、「徳岡」と書いてあったので、有名な女将さんだと分かった。 この吉兆での晩餐はもう去年の春の出来事だ。去年の終わりごろ、大阪のミシュランガイドが出たとき、私のお気に入りの瓢亭と嵐山吉兆は三つ星を獲得したが、西洋の人は本当に和食を分かっているかと、その結果を認めない意見もたくさん出ている。そして、400年歴史を誇る瓢亭は掲載を断った…でも、ミシュランガイドがどういう風に評価をしても、私にとっては、料理(和食)の味以外で、伝統ある美しい京都の雰囲気も絶対に心を掴むものだと思う。
雑誌名:La Vie 4月号/2010 第72期 / 刊行元:麥浩斯 / 語文:繁體中文