2009.01.15
世界料理サミットが2月に開催されます。
私、徳岡邦夫も招聘され出演させて頂きます。
料理を発表するのですが、私のテーマは、「うま味、香り、食感」です。
健全な「食」や「幸せ」は、『物理的観点、理論構築から生まれる』様に感じています。
美味しさと言うのは、舌だけで感じているわけではありません。口の中や鼻にあるセンサーを通じて、主に脳の「大脳皮質」という部分で感じているわけです。
センサーである舌には、いろいろな味を化学的に感知する受容体(レセプター)があります。甘み、酸味、塩味、苦み、うま味という五つの味が、レセプターで感知されます。
そのレセプターの種類ですが、うま味を感知するレセプターは、1種類だそうです。
甘みに反応するレセプターも、1種類。
苦味に反応するレセプターは、約50種類。
舌は、さほど多種多様な味を区別できるようには出来ていないのです。
それに対して、鼻の中の細胞にあるにおいのレセプターは、現時点で約380種あると言われています。
更に口の中でも、舌触りや食感(テクスチャー)と呼ばれるものは、物理的な刺激で、味覚ではなく触覚による美味しさです。指先の感覚と同様に非常に繊細な違いを区別することができます。
もちろん、視覚や聴覚も美味しさを引き起こします。
美味しさは、生物としての人間が持つ「五感」すべてを使って感じるものだと言えます。
人間の体は、そのように出来ているという事です。
今回は、その中でもより繊細な「分解能」を持っていると思われる感覚に焦点を当てて、料理を考えてみました。うま味より苦味、味より香り、そしてそれ以上に食感を味わって頂く料理です。
☆八寸、色々(筍、春野菜。苦味。デトックス効果。)
☆鶏汐汁。もしくは「肉の汐汁。春野菜カルカン椀子。」
脳内麻薬とも言われる「β-エンドルフィン」を発生させる官能的美味しさが、脂肪(油)、砂糖(甘味)、だし(うま味)だと言われています。
人間が本能的に「美味しい」と感じてしまう、その三要素を全て含んだスープです。
うま味:昆布のグルタミン酸と鶏のイノシン酸
甘味:鶏の甘み
油:鶏の油分
☆魚、焦げと蒸し、香ばしいソース。
☆肉料理:すき焼き?
☆ピュア・リゾット。
まだ、開会までに時間が有りますし、1/25~2/1で、パリを中心にフランスへ食の探求、研鑽に行ってきますので、まだまだ進化されると思います。
乞うご期待!!
○世界料理サミット2009 Tokyo Taste
開催期間:平成21年2月9日(月)~11日(水) 3日間
主催:世界料理サミット実行委員会(理事会)
場所:東京国際フォーラム
参加国:5カ国以上の国
参加数:想定来場者数 10,000名
テーマ:日本食文化の「価値の創造」
世界中からトップシェフを招聘し、最先端の調理技術のシェアから業界のボトムアップを促進し国内シェフが顕彰される場、国内外シェフの交流の場として世界における日本食文化の発信拠点とします。
基本方針
1.日本食文化及び日本食ブランドの世界へ向け発信・拡充
2.国内外の料理人・料理文化の国際交流
3.「食育」に対する関心の向上