2023.04.18 お知らせ
嵐山本店の座敷「待幸亭」の改修に伴い、貴重な日本建築の保存と継承、職人の匠の技を伝えるためのクラウドファンディングを、昨年12月26日より実施いたしました。お陰様で多くの方々にご理解いただき、目標額を上回るご支援を賜り、2月23日に受付を終了いたしました。
― 文化財的な価値も高い部屋「待幸亭」の大改修 ―
待幸亭は、吉兆 創業者 湯木貞一が松下幸之助氏の別邸にあった書院造の建物を譲り受け、1962年に移築したもので、随所に湯木貞一のこだわりが散りばめられたお部屋です。また、軒下の角に柱がなく、屋根から梁を釣った造りになっており、くぬぎの化粧軒裏や縁側の松の木の一枚板は、現代では再現は難しいとも言われています。しかし、明治元年に建てられ、嵐山に移って60年が経過していることもあり、老朽化が進み様々な箇所のメンテナンスが必要となり、2022年より大規模な改修を開始。今年2月、全ての施工を終え、新たな部屋へと生まれ変わりました。
▼ 嵐山本店 座敷「待幸亭」
▼ 嵐山本店 座敷 旧「待幸亭」
■ 「待幸亭」の改修概要
天井画の張り替えの他、床の間や建具などを「京都の匠」が集結して改修。
天井画は、金閣寺の杉戸絵も手がけた日本画家、森田りえ子先生の作品に張り替え、唐紙や障子、金箔も新しくし、漆も塗り直し、柱は汚れを落とす一方、床の間の百日紅(さるすべり)など、時間の経過が風合いを醸し出す部分はそのまま残すなど、全体のバランスも考えながら作業いただきました。
▼ 「京都の匠」が集結して改修
■ 「待幸亭改修 クラウドファンディング」の概要
クラウドファンディングを通じて、皆で共感し、日本文化の未来をつなげたい。
このたびの改修は、ただお部屋をきれいにするというものではなく、貴重な日本建築の保存と継承、これらの仕事をする職人の匠の技を伝え、日本の文化を未来につなげるためのプロジェクト。多くの方々に、この取り組みを知り、共感していただきたく思い、クラウドファンディングの実施を決意いたしました。松下幸之助氏から湯木貞一に渡り、京都吉兆が今に受け継いだ “日本の美” を、私たちだけのものではなく、皆さまと共有したいと考えました。
ご支援いただいた皆様へ、改修の模様を撮影した特別ムービーの公開、天井画裏にお名前の掲載、天井画モチーフの扇子、京都吉兆オリジナル商品、特別な食事席など、様々な返礼品を用意させていただきました。京都には、宮大工、建具職人、表具師など専門の技術を持った職人たちがいます。特別ムービーには、完成した様子だけでなく、これらの職人方の、なかなか見ることのできない仕事の様子も収録されています。
上記写真をクリックいただきますと、PDFファイルにて拡大表示・ダウンロードいただけます。
実施期間:2022年12月26日~2023年2月23日
クラウドファンディングサイト「READY FOR」で実施しました
クラウドファンディング目標達成の御礼
昨年12月26日より開始いたしましたクラウドファンディングは、お陰様で目標額を上回るご支援を賜り、無事終了することができました。 皆さまのご理解とご協力に、スタッフ一同、深く感謝申し上げます。
またクラウドファンディングを通して、沢山の方々にご声援や励ましも頂戴し、共に繋がり、活動が出来たことを、大変嬉しく思います。 誠にありがとうございました。
吉兆は、2030年には創業100年を迎えます。 京都吉兆は今、日本文化の核心を追求し、未来へ繋げていくことが使命であると、改めて実感しております。 これからも、様々な取り組みを重ねながら、皆さまのご期待にそえるよう精進して参る所存です。 今後とも、京都吉兆を宜しくお願い致します。
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貴重な日本美術や日本建築を保護・保存するため、壮大なプロジェクトとして実施いたしました「待幸亭」改修の様子は、今後もWEBサイト等で随時発信して参りますので、こちらからご確認くださいませ。