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糖尿病のための献立 第1回 ~京都吉兆・徳岡邦夫 総料理長編~
稲垣 徳岡さん、本日はこのような企画に挑んでいただきまして、誠にありがとうございます。今回は京都大学病院糖尿病栄養内科病棟専属の管理栄養士、菅野美和子さんの協力のもと、徳岡さんに「600kcal以内の会席料理」をつくっていただきました。
私は週に1回、病棟の糖尿病食をお昼に検食していますが、それが大体500数十カロリーです。内容は汁物、ご飯、2品程度のおかず。今回はそれとほぼ同カロリーで8品もの会席を楽しめるということで、大変楽しみにしてまいりました。献立を組むに当たっての、徳岡さんのご苦労をうかがいたいと思います。
徳岡 これまでもコレステロールの高い食材は使わないでほしいなどの健康上の、あるいは宗教上や菜食主義の方などのご要望には対応しています。でも、カロリーを決めてつくる、ということは初めてでした。以前に糖尿病協会の関連で取材を受け、通常メニューのカロリー計算をしていただいたことはあります。その時は700kcalぐらいでした。
稲垣 通常でも。
徳岡 献立は季節にもよりますし、今回とは違うのですが。今回はまずメニューをお出しして、計算してもらいながら味や満足度を変えない工夫をしました。最初は870kcalありました。
菅野 吉兆さんのレシピを見せていただくなんて考えもしなかったことで、大変勉強になりました。会席は野菜が少ないイメージがあったのですが、計算すると100gを超え、1食で取りたい野菜の量に沿うた形になっていました。糖尿病食ということを意識されたのでしょうか。
徳岡 通常のものです。会席は生の魚の後には違うもの、温かいものの後に冷たいもの、など全体の流れを考えます。それで自然と糖尿病食に沿うたものになるのかもしれません。
菅野 見事だなと思いました。患者さんにはあしらいも全部食べてください、そうすれば1食分の野菜は取れますよ、というお話が今後できると思います。
稲垣 870kcalを600kcal以内にするために、どんなアドバイスをしたのですか。
(左)徳岡邦夫、(中)稲垣暢也、(右)菅野美和子

雑誌:Islet Equality 11月号 35~39ページ / 刊行元:ノバルティス ファーマ株式会社

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