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海外に日本料理のことを発信しようという取り組みが活発化し始めている。今年8月
には老舗料亭が中心となり、海外のシェフに老舗の板場で日本料理を教える研修機関
が立ち上がった。京都嵐山吉兆からは来年1月、総料理長の徳岡邦夫さんが日本代表
としてスペインに行き、その腕を披露するという。なぜ海外に日本料理を伝えようと
しているのか。徳岡さんを訪ねた。

■来年1月中旬にスペインに行って日本料理を披露するそうですね。
「『第3回マドリッド・フュージョン』というイベントに日本料理代表として招かれ ました。このイベントは、スペイン・マドリッドの高名なシェフを集めて開いている んです。イベントではシェフらがその技術を発表するとともに、互いに研究し合うい わば料理のサミットというところですね」。
「今回招かれたのは、このイベントの責任者と仕掛け人の内の1人のシェフが嵐山吉兆で食事をされたのがきっかけだったんです。今年の春頃、『純粋な日本料理を披露して欲しい』とオファーがあったんです」。
■なぜ行くことにしたんですか?
「海外で日本料理というと、スシ、スキヤキ、サシミ、テンプラという認識が圧倒的 に多い。でも日本料理の本質ってその精神性にあると思うんですよ。そうした部分を伝えることができたらいいなと思ってる」。
「その精神性とは、一瞬にあると思うんです。特に懐石料理など茶の湯に通じるものがある。つまり、茶の湯が大成された時代は戦争の時代。明日を生きているからこ そ、人と人が出会って気持をやり取りする瞬間を大事にした。それが、一輪の華を愛 でる心になる」。
「料理も一緒なんです。食の瞬間を通じて、料理人とお客さん、あるいは生産者とお 客さんがつながる。そういう瞬間を大事にするから、日本料理には、五感に訴える演出がある。つまり、部屋の温度や香のたき方、器の選び方に食材の選び方と季節に合 う調理法などすべてのものを組み合わせておもてなしをするわけです」。
■今年の夏には海外のシェフに研修を行う日本料理アカデミーも立ち上がりました。
「私もアカデミーの会員なんですが、いい取り組みだと思います。特に、老舗料亭の若手が中心となって進めている。アカデミーの取り組みは、実際的なものになるで しょう。それだけに、技術的な部分に偏り過ぎないようにすることが課題かもしれない」。
「私が個人的に感じているのは、先ほども言ったように精神性の部分を特に伝えたいということです。作っている人たちの情熱を感じてもらえるようにしたい」。
「それは常日頃の料理を通じて、料理人たちの情熱をお客さんに感じてもらうととも に、食材の生産者たちの情熱をも感じてもらうということ。だから、吉兆では常に、 情熱を持って食材を提供してくれる生産者を発掘している。現在、野菜だけでなく調 味料までおよそ20〜30の生産者から直接食材を仕入れています」。


■今、なぜこのタイミングで世界に日本料理を伝えようとしているのでしょうか。あるいは、なぜ世界中から日本料理に注目が集まるようになったんでしょう?
「1つの大きな背景には日本ブームがあると思う。もっと大きな流れとしては、世界中で食に対する安心感や安全性に疑問の目が向けられていることがあると思う。特に、狂牛病で牛肉が安全ではないと認識され始めたことが大きかった。ほかにも、肥満や味覚障害など食をめぐる問題は多い」。
「そもそも『食べる』ということは、『健康になる』ということですよね。しかし、 こうした問題に直面して、『食べる』ことが『病気になる』ことにつながったり、場合によっては『死』につながる。こうした不安感が日本料理に対する関心の高さにも つながっていると思います」。
「日本料理は特に特異的な存在です。島国の中で独自に発達して培ってきたものがあ る。例えば、水も欧州とはまったく違う。だから、完全な日本料理を欧州に持ってい くことはできない。独自に発達した中で、非常にヘルシーな料理になった。だから、 世界中から健康になるための料理になった。だから、世界中から健康になるための料 理として認知され、注目されるようになった」。
■その中で日本料理は何ができるんでしょうか。
「日本料理だけがこうした問題を解決できるとは考えていません。日本料理というの は、1つのアプローチです。料理はそもそも、その地域性や地域の文化、精神を抜き には考えられないものです。猿人の時代からいろんな地域に人間が移り住むようになり、その土地で採れるものをその文化に合う方法で調理してきた」。
「例えば京都の場合、海に遠いために新鮮な魚が昔から手に入りにくかった。だから 魚を保存しておいしく食べる技術が発達したし、野菜をおいしく食べる技術が発達したわけです。そのように、これからの食はその土地に合うやり方を見つける必要があるんだと思います。そのやり方の1つが、地産地消だったりするし、スローフードと呼ばれる運動だったりする」。
「今回スペインに行くのは、そうした各地域のやり方や精神性、文化を学び合うこと が目的。その上で、互いに新たに取り込めるところがあれば取り込んだらいいし、融 合して新しいものができるかもしれない。日本料理の精神性や文化など深いところを伝えて、実際に日本料理を味わってもらうきっかけにもしたい。これから、そういう 環境を整える必要もある」。
「そんな取り組みをする中で、私としては皆さんに必要とされ、息が長く、時代に残っていくものを探りたいと考えています」。

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