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生で、焼いて、煮て、蒸して、揚げて、干して------複数の料理の組み合わせによっ て、風味と妙味は大きく変わります。それはすなわち、やさしさや情熱といった思い を料理に表現できることを意味しています。鮑もそうした可能性を秘めた優れた食材 といえるでしょう。
氷水でしめた生の鮑をワサビ醤油でいただく水貝という食べ方は、しこしことした歯 ごたえがたまりませんし、ほどよく熱を加えた鮑は、蛋白質が分解してグルタミン酸 とアデニル酸を核とする旨味、グリシンとベタインによる甘味などが引き出され、ま た違った味わいを楽しめます。焼いてまた素晴らしく、風味が濃くなって、独特な香 りを放ち始めます。干し鮑は、カルシウム分が生鮑の四倍にもなるそうです。
今でこそ、栄養素の分析や調法が食材に与える反応についての研究が進み、美味しさ が化学的な見地から語られるようになりましたが、私たちの先人は、智慧と経験で もって、その食材がもっとも美味しくなる瞬間を深く洞察し、獲得してきたのです。
これから真夏にかけて旬を迎える鮑は、滋養強壮に優れ、夏を元気に過ごすためにも もってこいの食材です。旬の食材を美味しく食べる方法が健康にもつながっていくわ けですね。
つまり旬とは、単にその食材が新鮮で美味しい時期というだけでなく、人間も含めた 自然の摂理が絶妙なバランスで現れた状態でもあるということです。ということは、 私たち料理人は、旬の食材がもっている一番良い部分を、より理想的な形で引き出す 工夫をしなくてはならないということです。
今回ご紹介する鮑のつくり三品は、鮑のもっている個性のうちの三つにスポットを当てて、その魅力を浮き彫りにするよう考えた料理です。 まず、生の鮑を薄くすいてコリコリした食感を、鮑の身を昆布だしに通して食す一皿では深い旨味を、鮑の身をふっくらと石焼きして塩焼き肝を散らして鮑の磯の香りを----鮑のさまざまな表情と風味を発見し、楽しみながら、食の在り方について意識を傾け、目に見えないものを感じてもらえたらと思います。

鮑のつくり三品
(写真手前から奥へ)
古染付向に盛られた鮑の薄づくりでは生の鮑の食感を楽しむ。中央の器は、少し厚めにすいた鮑の身を石焼き(遠赤外線)でふっくらと焼き、その上から塩焼きにした肝を散らして、それを絡めて食すつくり。磯の香りが食欲をそそる。奥の皿は、鮑を昆布だしで湯通ししたもの。塩で食すと純粋な深い旨味が一層引き立つ。

「吉兆の基本は、水と鰹、塩、醤油にある」と徳岡氏は語る。それぞれの食材ももちろん大切だが、特に料理の品と格を決定するだしには重きが置かれている。
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