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ドイツの雑誌「fivetonine」に載りました。 私共スタッフが和訳したものですが、ご覧くださいませ。


 

17時の夕食。「暗くなる前にお越しください」と予約の際、シェフから薦められ、好き嫌いを聞かれる。徳岡邦夫、彼はかつて日本の皇居があった京都の吉兆のオーナーである。メニューはないが、旬のよい食材を使った料理や、彼の好むものをつくっている。 「私は絶え間なく色々なことを試みます。私たちのお客様は驚きの演出を大変好んでくださいます。」 吉兆は1200年以上の寺の世界である京都の西にある嵐山の山を正面にゆっくりと眺められる場所にある。戸口の前は、保津川がさらさらと流れ、古い日本の釣り船が通り過ぎ、家の裏はうっとりとするような日本の庭で、徳岡氏と律子夫人がお客を出迎える。暗くなる前の夕方の雰囲気は、美しい昔の日本の絵で自分の名を不朽のものとした広重の木版彫刻を思い出させる。

左) 晩餐の雰囲気としては、伝統的な畳と障子と花の飾られた床の間は最高だろう。前菜の柿膾は、絵のような美しさで運ばれてくる。漆塗りの盆の上に3枚のもみじの葉を敷き、すばらしい八角形の小鉢の中にこまかく切られた大根、にんじん、きゅうりに、軽く焼いた蟹、わかめと胡麻、そのはっきりとした色の構成の上に生姜がのせられ、米酢で味付けられている。100年以上前に塗られた芸術的な陶器の小皿にからすみがのっている。

右) 続いての輪島塗の椀に入れられた、自家製の胡麻豆腐に、かすかな香りの柚子と3つの野菜が盛り付けられた椀物は、料理長である徳岡にとって最も重要なものである。「お椀の風味はお気に召しましたでしょうか。それならば、この味加減で進めさせていただきます。」と、彼は初めて来店された方であろうが常連であろうが、すべての客に質問する。「人はいつも気分が違うため、いつも同じ味が好むわけではないのです。」




左) 料理長の感受性は続いての刺身でよく分かる。まずはフグである。悪名高いフグを薄く切る。フグの肝臓には毒が含まれているので、時々食通を死に至らせた。そのため、特別な免許を持っているコックだけがこの高級でおいしい食材を料理できる。徳岡氏はかなり透き通った魚をわさびと軽く湯通しした皮とラディッシュと一緒に400年も昔の古い染付の陶器に盛り付ける。

右) 澄んだフグに続いては、濃い赤のまぐろの腹部のトロの刺身が、にんにくを揚げたものといくつかのすばらしい醤油と、ごまと梅、バルサミコ、レモン汁、鮑の肝と共に出された。




左) そして口の中を中和させるときです。そのために徳岡氏はやわらかい自家製の豆腐を出す。続いて新鮮な蟹、そのあとに、本物の料理がくる。八寸である。「私たちの懐石料理のコンセプトは茶道の精神からきています。そのため、それぞれの季節のものや、海や山の幸で旬なものを使います。」と徳岡氏は説明する。すだちの皮、イチョウの葉、小鉢などにエビやいくら、焼きもの、海藻類、さけ、牛タン、魚の肝臓などが盛られ、それらは漆器の盆の上にもみじや松葉などとともに絵のようにだされる。食べ物や花や器は季節によって変わる。「和食の美しさは色のコントラストです。だから、私たちは昔から目でも食べるといいます。」徳岡氏はそれぞれの料理に対して、添加材料、器、盛り付けなどの最高の組み合わせを求め、メニューの一品一品を味覚的にも美学的にも重なり合わせて調整していく。

右) 焼き物では、焼き魚、しいたけ、松葉にさされた銀杏が、美しく包まれてでてくる。客がテーブルの上で紐をほどくのである。昔、天皇はそのような包まれた餅を臣民に贈っていた、とシェフは説明した。徳岡氏の祖父である湯木貞一氏は、果物と野菜を一緒に使った日本で最初の料理人というだけでなく、950以上ものオブジェクトがある湯木美術館を設立した。彼はとても貴重な磁器や陶器や漆器を集めた。貴重なオブジェクトの中には、30の染付の磁器の深皿や皿、湯のみ、鉢など日本の有名な窯元からきたものや、古いバカラのグラスや魯山人の陶器のコレクションもある。徳岡氏は、この数々の器をいつでも使えることがなによりの誇りである。




左) すべての客のために、一人ひとりの味覚に合わせて作られたご飯のあとは、印象的な形の魯山人の器の上にとても新鮮そうな果物がきらきら輝いていることで印象を与える。徳岡氏と彼のチームは新鮮な材料だけを使って、野菜、米、魚、くだものと肉を特定の農家から買っている。「香辛料から酒に至るまでのすべてのものは吉兆のためだけに特別に製造されています。」という。

右) 12〜14皿が出てくる懐石料理は2,3時間を要する。だが、一皿一皿が少量なのでおなかが満腹で食べられなくなることはない。言うまでもなく、料理には油やカロリーにも気をつけている。祖父が1930年に大阪で創設した吉兆は今では24のレストランを持つチェーン店になったが、徳岡氏は本物の吉兆は京都嵐山にしかないという。「私は私の料理で人々の心を動かしたいのです。涙を流すほどに感動させたいのです。」と徳岡邦夫はいう。これまでに、レジの前ではなかったが、食事中に客が涙を流すということが数回あったという。京都吉兆嵐山本店での料理は、飲み物なしで一人につき約450EUROである。

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