右)北大路魯山人作の大鉢に大原野の朝掘り筍を炊き上げた筍盛込。たっぷりの木ノ芽と鰹節で
左上)木ノ芽の香りが春らしい豆腐田楽。嵯峨豆腐で有名な[森嘉]製
左下)備前の器に盛られた造里3種。瀬戸内の鯛、文甲イカの焼霜、トロ
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春は桜、秋には紅葉と四季折々の風光に恵まれた嵐山。渡月橋辺りの雑踏を外れ、大堰川に沿って進むと趣ある門構え。その奥に数寄屋造りの風雅な佇まいと、天下の名勝を背にした美しい庭園が広がる。ここは全国にその名を馳せる[吉兆]の京都本店。茶の湯の心を原点としたもてなしの美学を貫く料亭だ。この店には決まった献立がない。予約が入ると、主人の徳岡邦夫さんが客の顔を思い浮かべながら目的や好みに応じて献立を構成。素材の吟味に始まり、器や盛りつけ、部屋の室礼まで細やかに気を配り、見事なまでの演出で客を迎える。日常から切り離された空間に身を置き、”食”を超えた五感のすべてでひと時を愉しむ。そんな贅沢がここにはある。
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