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きょうの味 いつか「参った」って言わせる野菜を作る

料理のおいしさを支えるのは食材だ。徳岡邦夫(46)=京都吉兆嵐山本店総料理長=は子とあるごとにそう言う。

例えば野菜ならば、素材の善しあしは、焼くことで際立つ。「水分が飛び、旨みうや甘みが濃くなるから」だ。その味は嵐山本店のコースの中で体験できる。そばつゆのような濃い目の鰹だしを少量かけた「焼き野菜」。今の時期ならかぶらをアルミホイルで包んで、炭火の中に放り込む。「表面は香ばしく焼け、芯はあったかいレア」の状態になる。野菜本来のおいしさを極限まで引き出す手法だ。

しかしその「野菜本来の味」は調理場ではなく、はずは畑で作られる。

京都吉兆に野菜を納めるようになって2年後、長澤源一(53)=右京区=は嵐山本店に招かれ、驚愕する。長澤の述懐はこうだ。「そこそこ自信を持ってたんよ、自分の野菜に」「けど明らかにうちの野菜は他の素材に負けてた。ぞっとするくらい」。圧倒されたのは、長澤自身の好物、豆腐。「いくら高級でも豆腐なんて千円単位。それが信じられんくらいうまい」。自信を砕かれながら長澤は「吉兆さんにはいつか『参った』って言わせたる」と誓う。

輝き:10年かけてはぐくんだ槌と長澤の熱意が、緑に光る美しい野菜を生み出す =右京区で

輝き:10年かけてはぐくんだ槌と長澤の熱意が、緑に光る美しい野菜を生み出す=右京区で

最高の味へ 生涯50回の挑戦

長澤は「吉兆さんにはいつか『参った』って言わせたる」と誓う。

農薬科学肥料を使わずにうまい野菜を作る。それは「むちゃくちゃ難しい」と2人は口をそろえる。有機無農薬で徹底的に野菜の味、美しさを追求している農家自体がごくわずかだという。

その難関の第一段階は安定した収穫を得ること。「葉っぱを食べる害虫と、虫を食べる益虫、そのバランスが大事」と長澤は言う。畑では害虫が先に湧き、益虫は後から現れる。そして害虫は農薬に強く、益虫は弱い。一度農薬を使うと益虫が死滅、害虫が跋扈し始め、それを防ぐには農薬を使い続けるしかない。

「農薬を抜き、害虫の数に合った益虫が育つ環境を作る。5年ほどはかかるかな」と言う。

第二段階がおいしく、美しい野菜を作る作業。要となるのは肥料だ。「野菜の味は窒素で決まる。」とも言う。「鶏糞、牛糞、魚かす、油かす等々。何をどれくらい使うか。年に1回ずつの実験ですわ」。納得出来る結果がでるのに3〜5年、今なお納得できないものもある。「一生でせいぜい50回しか出来ん実験。去年より今年、来年と工夫せんと。これでええと思ったらすべてが止まる」。語る長澤の表情は厳しい。

今年、長澤が収穫した野菜のうち京都吉兆に納めたのは0.2〜0.5%。「もっと売ってくれ、十分おいしいから言うても譲ってくれん」と苦笑いする徳岡に、「ええもんくれって言うたやろ。最高にええもんはこんだけや」。長澤はどこまでも頑固だ。

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