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レストラン格付けで世界的権威の「ミシュランガイド」京都・大阪版が、今秋刊行される。写真提供や審査を拒む老舗もあるがミシュラン側は、店の同意の有無にかかわらず掲載の意向だ。京の料理界が揺れている。
「評価に振り回されたくない」。審査を断った老舗料理店は「従来のガイドと違い、はっきりランク付けされる。京都はそんな土地柄と違う」と戸惑う。
京都吉兆嵐山本店総料理長の徳岡邦夫さん(48)は「いいじゃないですか」と歓迎する。一昨年に審査を打診されたが、親類の東京吉兆が辞退した経緯を踏まえ、断った。「同じ吉兆といえ別の店。もし再びオファーがあれば、是非とも掲載していただきたい」。
理由として「海外のシェフには『ミシュランで星を取った京都吉兆の』と伝えた方が伝わりやすいから」と自信を見せる。「世界基準といえど、一つの見方。日本の食文化が正しく世界に紹介されるよう導けばよい」と受け止める。
掲載を快諾した料亭の主人は「欧米人の視点に立った評価基準。日本料理がどのように判断されるかが分かり大歓迎だ」と喜ぶ。
総責任者のジャンリュック・ナレさんは「京都で拒否する店はごく少数。東京のシェフなら一回の依頼で受けてくれるが、京都は三回お願いしないといけない土地柄と聞いており、覚悟している」と苦笑する。
店が審査を拒み、写真掲載に同意しなければ、文章だけでの収録になるという。刊行までには、まだ紆余曲折が予想される。
「ミシュランガイド」京都・大阪版発刊について説明する総責任者のジャンリュック・ナレさん
(中央)ら(6日、大阪中央区、マイドームおおさか)
山田、橋下両知事は歓迎
大阪府の橋下徹知事は6日、料理店格付け本「ミシュランガイド」の京都・大阪版の発売を発表したフランスのタイヤメーカー、ミシュラン社の日本法人幹部らの表敬訪問を受け「大阪を『食の都』として売り出そうとしていた矢先のありがたい話で、弾みがつく」と歓迎した。
京都府の山田啓二知事も「京都が取り上げられたことを歓迎する」とのコメントを発表。「京都の料理は伝統と文化にはぐくまれ、器や部屋のしつらえにも心を配る日本文化の集大成。多くの外国の方にも味わっていただくことを願っている」とした。 |
京都新聞:2009年4月7日 (火) |
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