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柔らかに降り注ぐ雨が、人影も疎らな渡月橋を濡らしています。六月の雨は慈雨。天の恵みを全身に浴び、木々の緑も、畑の野菜も、庭の苔も、あらゆるものが瑞々しく、生気に満ち溢れてきます。それはまさしく「喜雨」。雨に濡れそぼる嵐山は、実は喜んでいるのです。ところが、恵みの雨も、料理屋にとって時には厄介なことを引き起こします。日本料理の命綱とも言うべき、鰹節の品質管理が湿気のために難しくなるのです。今ではかなり改善されましたが、一昔前は、乾燥した本来の状態を保つのに、随分苦労したものです。六月というと、即座にこの鰹節のことが頭に浮かびます。あまり情緒的な話ではありませんが、料理屋ならではの思い出ということでご勘弁ください。
恵みの雨が降るプレートに、その恵みを受けて育ったアスパラを盛りました。
日本料理では、アスパラを一本そのままでお出しすることはあり得ませんが、洋皿だからこそこんなことも可能になります。甘手鰈と雲丹を一緒に召し上がってください。ハートは梅肉と揚げ米です。ジューンブライドという訳ではありませんが、ご愛嬌で。
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株式会社大倉陶園
横浜市戸塚区秋葉町20
TEL:045-811-2185
京都嵐山吉兆
京都市右京区嵯峨天龍寺芒の馬場町58
TEL:075-881-1101 |
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