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京丹後市は、農薬や化学肥料を一切使用しない稲作に取り組む「トライアル農地」を市内に設け、十七日に田植えを行う。丹後産コシヒカリのブランド力向上を目指す試みで、発案者の京都吉兆嵐山本店総料理長・徳岡邦夫さん(48)も協力。土壌や食味の分析、販売戦略を実証研究し、産地全体の底上げにつなげる。
市内の水稲栽培面積は約二千五百ヘクタールあり、丹後産コシヒカリは日本穀物物検定協会(東京)の食味ランキングで、最高評価「特A」を二年連続(2007、08年産)で獲得した。
米どころの強みをさらに伸ばそうと、市専門委員の徳岡さんが昨秋、トライアル農地の導入を提唱。無農薬・無化学肥料での米作りを通じ、おいしさや品質の指標を確立し、栽培技術の普及を目指す。徳岡さんも、田植えから全国PRまで幅広く協力するという。
三カ年事業で、同市久美浜町女布のほ場約七百三十平方メートルで実施。有機JAS認定を受け、有機農法を実践する高見高央さん(74)=福井県大野市=らが技術指導する。
市農政課は「関係機関と連携し、さまざまなデータを生産者に還元していく。『特A』の継続や生産者の所得の向上にもつなげたい」としている。
丹後産コシヒカリのブランド力向上を目指し、田植えが行われる「トライアル農地」
(京丹後市久美浜町女布)
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京都新聞:2009年5月15日 (金) |
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