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京丹後市は17日、完全無農薬・無化学肥料の米づくりの実証事業を久美浜町女布のエチエ農産の水田(733平方メートル)でスタートさせた。08年産米の丹後コシヒカリが西日本で唯一、2年連続で最高評価の「特A」となっており、産地全体のレベルアップとブランド化を図る。3年間の実証を行い、そのデータを集積して農家に提供する。

市によると、市内の水田は2500ヘクタール。このうち、低農薬などの特別栽培は10%で実施しているが、完全無農薬・無化学肥料の米づくりは一部の農家で行っているもののデータはない。
産地間競争が激しくなる中、「特A」をさらにレベルアップさせて高値で売れる米づくりを目指す。
事業の場所となったエチエ農産は、丹後地方で初めて個人で株式会社を創業した越江雅夫さん(59)が経営。福井県大野市で長年、完全有機農法で米やサトイモを作っている高見高央さん(74)の技術指導を受けながら事業に取り組む。
この日は、市内の農家をはじめ、府丹後農業研究所の中村均司所長、市政策企画委員で京都吉兆嵐山本店の総料理長の徳岡邦夫さん(48)が駆けつけた。
徳岡さんは「1次産業で働く人が豊かな生活ができるよう手助けしたい」とあいさつ。越江さんの長男昭公さん(32)の指導で田植え機に乗り、コシヒカリの苗を3・3平方メートル当たり45株植えた。
高見さんはこの水田について、「昼夜の気温差が大きく、山からの水もきれいで良い米づくりに適している」と高く評価。「微生物が活躍する土づくりが大切だ。昔ながらの農業を科学的にやればいい」とアドバイスしていた。
 
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