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インドへ行ったときのことです。市場に並ぶ何種類もの香辛料と、それらが発する強烈な香りに、最初はただ圧倒されるばかりでした。しかし、慣れてくると、この香辛料を日本の料理に使えないものだろうか、という好奇心が湧いてきました。聞くと、かつて日本の味噌や醤油がそうだったように、各家庭でもそれぞれ調合し、その家独自の味覚を作り上げているとか。よし、それならばと考えてできあがったのが、鮎のガラムマサラ焼きです。鮎はシンプルな塩焼きがおいしいことは百も承知。でも、いつもそれだけでは面白くありません。いろいろな魚で試しましたが、鮎が持つ脂とガラムマサラの香りが、絶妙な組み合わせなのです。鯛ではうまくいきません。インドの香辛料と日本を代表する川魚。そんな取り合わせの妙も料理の面白いところです。8月はそろそろ落ち鮎の季節。嵐山の渡月橋から川下は、鮎を狙う釣り人でひときわ賑わいます。年魚と呼ばれ、一年で短い生涯を終える鮎。しなやかな魚体を躍らせ、最後の力を振り絞って泳ぐ鮎と、陽光にきらめく川波。そんな八月の一瞬を切り取ることができれば・・・。プレートの川波にはそんな思いが込められています。
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株式会社大倉陶園
横浜市戸塚区秋葉町20
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京都嵐山吉兆
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