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半眼の向こう、見えた光

時が来て、両親に打ち明けた。父は激怒し、予想通り「勘当や!」と叱りつけた。母は泣いた。その場で家を出ようとしたが引き留められ、家族会議に。話し合いは平行線に終わる。「努力して、腕を磨いて勝負するミュージシャンは、料理人に劣らん素晴らしい職業や。何であかんの?」

納得できない徳岡は妙心寺(右京区)を訪ねた。祖父、湯木貞一と親交が深く、両親も自分も尊敬してやまない盛永興老師(故人)がいた。

「俺の言うことは正しい。老師なら分かってくれる」と門を叩いた。

徳岡の話を聞いた盛岡興老師は何も言わずに聞いた。そして「しばらくここにいなさい」と言う。小学校のころから、たびたび夏休みに泊まりに来ていた。同じような気持ちで「はい」と答えると、風呂場に連れて行かれ、いきなり剃髪された。「雲水になって、自分の思いが本物やって証明するんや」。ばさばさと落ちる髪を見ながら、そう誓った。  雲水の生活は厳しい。徳岡は寺の風呂当番。水道もガスもない風呂は水をくみ入れ、木を探し蒔割りをする仕事から始まる。寺に入って1ヵ月、斧を持った手のひらにいくつも出来たまめが、硬く固まりかけたころ、庭で薪を割りながら、突然涙があふれてきた。「俺、何してんのやろ。これからどうしたらいいの…」

更に1ヵ月。午前4時、本堂で座禅を組んでいると、半眼にしたまぶたの裏に実際に見えているはずのない日の出の風景が浮かんだ。同時にそれまでもやもやしていた思いが、一気に頭の中で形になった。

俺は何で周りが嫌がることをしてるんや?皆が求めることをして、皆が楽しい方がええやん。皆の怒りや悲しみを乗り越えてまで、音楽やらなあかんのか?皆で協力出来ることって何?吉兆を継ぐこと、か―。

「結局、うまいこと乗せられた」。現在の徳岡はそう言って笑う。そして、「乗せて」くれた盛永老師を、今も「人生の師」と呼んで憚らない。

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