人は食べなければ生きてゆけません。人は食べるとき「おいしい」と感じます。「おいしい」とは、どういうことでしょうか。身体が存続するために欲している成分を「おいしい」と感じるかもしれません。
ただ、人は食からエネルギーを得て、眠るだけでは、行き続ける意志を持続させることは出来ません。おいしさを知ることは、多くの情報の中から何か決断するために話し合ったり、目の前で実験することに似ていると思います。食べることで生産者の人柄や生産地の風景、料理提供者の想いなどを想像し、思いやりを持ってレシーブやパスが出来る力こそが、共に生き続けるために必要なのではないでしょうか。
「共に生きるため」ということこそが、大切なのです。食を共有するため、自立し、食を通して、そのことをはぐくむことが理想です。
食の量、質については人がそれまで育った環境で変わると思います。アメリカ人はアメリカ人のおいしさが存在し、日本人には日本人の味覚に合ったおいしさがあります。
もちろん共通点はあります。同じ人間で、生体組成は同じですから、欲する栄養素は同じはずです。ただ、比率が違うのではないでしょうか。