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糖尿病の食事療法と聞いて浮かぶイメージは、「満足に食べられない」「味が薄い」、そして「つらい」。しかし視点を変えてみよう。日本の糖尿病患者は、食の欧米化が進んだ戦後に激増した。日本糖尿病協会理事長の清野裕・関西電力病院長は「伝統的な日本料理こそ、日本人にとっての健康食であり、糖尿病の食事療法に最適」と訴える。そこで毎日新聞が日本料理の名店「京都吉兆嵐山本店」(京都市)の総料理長、徳岡邦夫さんに「おいしい糖尿病食」をオーダーしたところ、糖尿病食のイメージを覆す健康食が仕上がった。
野菜の炊き合わせ。通常メニューから小芋を除いた
出来上がったのは、「晴れの日」に楽しむ懐石料理と、日々の家庭料理だ。
「晴れの日」の懐石料理は、同店の昼のコースが基本。通常は、▽焼き穴子、厚焼き卵などが並ぶ八寸▽鱧のお椀▽お造り▽箸休めの雲丹豆腐▽焼き物は鮎の塩焼きと揚げ鮎▽野菜の炊きあわせ▽ウナギのかば焼きをのせたゴボウご飯と漬物▽フルーツの盛り合わせ▽柏餅と続く。
「糖尿病食編」では、お代わり自由のご飯を1膳だけにし、デザートはフルーツをやめ柏餅だけに。炊き合わせの小芋もなくした。
ほかは通常メニューと変わらない。だしに使う昆布と鰹節、お造りのトロ、無農薬有機栽培の野菜などの食材は、通常と同じ最高品質のものを使った。
真剣な表情で盛りつけする徳岡さん=京都右京区の京都吉兆嵐山本店で
食べ終わると男性でも満腹になる。気になる総カロリーは、関西電力病院栄養管理室長の北谷直美さんによると、750キロカロリーと予想以上に低かった。
一般的な外食はカロリーが高く、糖尿病患者は家族や友人と同席する際、メニュー選びに困ることが多い。日本料理であれば、今回のメニューのように少しの工夫でほとんど同じ料理を楽しめる。会話をしながら、庭や器の美しさをめでつつ、2〜3時間かけて食べれば、血糖値の上がり方も穏やかになる。
清野理事長は「だしが味付けの中心の日本料理は基本的に低カロリーだ。糖尿病はぜいたく病ではない。インスタント食品や揚げ物の多い外食メニュー、弁当などのように作る、食べるのに時間と手間をかけないことが問題」と強調した。その上で、「ときには、家族と存分においしいものを食べることが、患者さんの励みになる。徳岡さんのような取り組みを参考に、自宅でも一工夫してほしい」と呼びかける。
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