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徳岡シェフの話の内容は、かなり専門的だが、少なくとも、なぜ、昆布だしより一番だしのほうが、うま味を強く感じられるかという謎が解けてきた。その秘訣は、グルタミン酸とイノシン酸など、複数のうま味成分を組み合わせることで、うま味を飛躍的に強く感じさせるその「相乗効果」によるのである。
徳岡シェフはまた、「うま味を増幅させることで、バターやオイル、クリームを減らすことができる」と述べ、事実、懐石料理は、ヨーロッパの伝統的なコース料理に比べれば、満足度が同じでも、カロリーが2分の1以下であると強調した。
では、一般的に、節や昆布が手に入らないイギリスでも、うま味を使って、美味しく、もっとヘルシーに調理する方法はあるのか? 徳岡いわく、可能である。幸いにも、うま味成分が多く含まれる食材は、いくらでもあるのだ。例えば、グルタミン酸を一番多く含むのは昆布だが、その二位を占めているのが、おなじみのパルメザン・チーズ。他にも、トマト、塩漬けハム、きのこなど、数多くある。今後、自分の食生活に、うま味をどう活かすかは、みなそれぞれだろうが、少なくとも、今度、ハンバーガーを注文する時には、ぜひ、うま味成分の相乗効果を思い出してチーズバーガーを選びたい。
うま味成分を多く含まれる食べ物
トマト(特にドライトマト、ケチャップ)
きのこ(特に干し椎茸)
ブイヨン
塩漬け肉、薫製肉
チーズ(特にパルメザン・チーズ、熟成したブルーチーズ)
魚、貝(特にアンチョビ、鮪)
海藻
醤油
ナンプラーなどの魚醤
日本酒
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