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おいしさとは生きるために必要なことだと徳岡氏。
「NYタイムスが一面で『UMAMI』について扱いました。うま味は単なる概念ではなく、科学的な根拠が見つかったのです。そもそも、舌のセンターは、甘みが1種類うま味センサーは1種類、苦味センサーは50種類、それと比べ鼻の臭覚は380種類、触感は無数にあるのです。よって、おいしさはうま味だけでなく、香りや苦みの方が感じる頻度が高いのです」
今回は、「うま味・香り・食感」をテーマにデモンストレーションが展開された。
まずは、香りから。パクチーやラー油も使った野菜による香りづけに最近注目しているという。「パクチー蒸しで香りづけした海老をむきます」と始まり、ラー油やパクチーが日本料理に活用された「八寸黒盆貝寄せ」を作る。
次に食感。日本のすき焼きから思い立ったという、フォンドボーベースの中で肉をしゃぶしゃぶのように仕上げる「すき焼き2009」。
「60℃〜80℃の中で行うことがポイントです。食感が残るくらいがちょうどよいですね」
焼いた鶏肉をホイップクリームにつけておくことで、薫製の香りがつくという技法も紹介。さらにコゲのおいしさとうま味を調和させた一皿を披露。「グジ焦げたパンと煮詰めたトマト+焼石にパルメジャーノ焦がして」
「パンのコゲの表面だけをそぎ落とし、調味料として使用します。トマトピューレにトマトを混ぜ、そこにコゲを加えてソースの完成、そこにパルメザンチーズをつけたホットストーンを置くことで、グルタミン酸を増進。メインのグジの身の部分はこぶ酒蒸しでイノシン酸を生み出し、皮は塩焼き、最後に鱗を揚げてのせ、完成です」
最後、うま味を意識した「ピュアリゾット」は、お米を炒ったのち昆布だしを注ぎながら仕上げるまさに和洋の融合。
「今後は料理のカテゴリーは薄れていくと思います。“何料理か分かんないけど、おいしい”というふうに。そんな中、世界で求められているのは日本であるということを、日本の技術を持って世界へ出て行くのは有利だということを感じてほしいと思います」
日本の若い料理人にも世界を体感してほしいと徳岡氏。
「参加できたことが光栄です。次回、自分が壇上に上がれなかったとしても、なんらかの形でお手伝いしていきたいと思います」と締めくくった。
レシピ
Pure Rizotto ピュア・リゾット
[材料]
米 140g
昆布だし(淡め)昆布25gを水100mlにつける 1800g
塩 5g
鶏もも肉 100g
鰹節 10g
オリーブオイル 20ml
[作り方]
1・フライパンにオリーブオイルを入れ、米を軽く炒める。
2・1に昆布だしを少しずつ注ぎ、強火で炒め昆布だしがなくなってきたらまた昆布だしを足し、同様にして炒め続ける。芯を残したアルデンテ状態に焼き上がったら、塩で味を調え、火から下ろす。
3・鶏もも肉全体に塩をふり、炭火で焼く。火が通ったら一口大に切る。
4・2を器に盛り、上に3の鶏もも肉をのせ、削り節をかける。
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食育についての思いは。
食育に関しては、次世代の方ヘ伝えていくことが必要です。友人が経営していた幼稚園で差別化の一環として、セミナーを開催したことも。有機野菜とスーパーの野菜の食べ比べをし、子どもたちに、目で見て香りをかぎ、なめることで味を知るという方法を教えました。 |
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