「今でこそ、でこでも見られる松花堂弁当ですが、当時は器の一つ見立てたもので、とても理にかなったものです。春の風情?れる松花堂庭園の茶室では、特別に昭乗の美意識を今に伝える四つ切塗箱を出していただき、ゆかりの松花堂弁当をお楽しみいただきます」とは吉兆・若主人の徳岡邦夫さん。
また、お弁当のほかに、向付やお椀、デザートも特別に用意され、野菜や米は地元八幡の農家でとれたもの、魚は本店と同じ産地直送の魚を用いるなど、いずれの料理にも選りすぐりの食材を、炊き合わせは鰹風味にしっかり味を含ませるなど、二つの味を供します。まさに特別松花弁当にふさわしい春の旬味尽くし。名園や茶室を見て、器の風雅を学び、美味を食すという三日間限りの春の贅が心ゆくまで満喫できます。