―食文化も変わりつつあります。
バランスがとれた日本の伝統食を見直すことは大事だと思うが、昔と同じ生活に戻るのも無理な話。食事がはぐくむ、ゆったりした人間関係など、子や孫に伝えたい面は大いにある。最近気がかりなのは、店でしっかりした味の食べ物を出したのに、「薄味ですね」というお客様が増えたこと。一方で、多くの人が過食と飽食の迷路に入り込み、抜け出せないようにも見える。
―食の安全を守るのに、どんな対策が考えられますか。
消費者は、自分の目で食べ物を選び、その責任を自ら負う時代がやてきたと思わなければならない。まずは、自分が食べるものに関心を持つことだと思う。人の価値観はさまざまだが、食べ物についてだれかと話し合い、知識を増やすのもよいだろう。私はインターネットに「食コミュニティー」というホームページを作り、意見を交換している。政治家はぜひ、経済効率最優先の食を見直すルールを作ってほしい。