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日本料理においての一番だしは素材の質やとり方の贅沢さから見てわかるとおり、最上等のだしといえる。コースの主役たる椀物はこのだしでなくてならない。しかも一客ずつひきたてを使う。それほどに一番だしは香りと繊細な味わいを命とするだしでもある。
水色は昆布の種類にもよるが、ここではやや黄みを帯びた透明。香り高く、大量に入れる昆布の塩分がほどよく移っているので、そのまま飲用しても十二分に美味しい。まさにそのものを味わうためのだしである。時間が経過した一番だしは椀には使わず、醤油を薄めたい時などに活用する。
さて、その一番だしを使った椀物。蓋を取ると馥郁した豊かなだしの香り。ふわーっと鼻に抜ける、鱧と松茸と鰹節と昆布の風味が渾然一体となった、まさに旨みと香りのカルテット。絹のようにしっとりと、舌ざわり滑らかな鱧。歯切れ良し、山の香りも高い極上国産松茸。どちらにもしっかりとだしがまとわりついて、まさに相乗効果。鱧と松茸、王者の椀である。
初冬にはウズラの塩焼き、12月になると松葉ガニと、椀種は吉兆らしく華やかだが、小手先の細工をせず、素材そのものを前面に出す直球勝負が常。きりりと締まった、クリアーな味わいの一番だしには、豪快な食材が好相性。とはいえ家庭ならば、一番だしさえきっちりとれれば、具材は旬のキノコだけでも充分満足できるだろう。


鱧と松茸の椀物【一番だし】 器:建都1100年記念の椀から11月の菊
作り方
(1)基本の昆布だしは、2リットルの水(アルカリ水がベター)に真昆布80〜100gを浸し、3〜4℃の冷蔵庫で12時間置いた後、昆布を引き揚げる。
(2)昆布だし約2リットルを鍋に入れて火にかけ、沸騰直前に火を止め、間髪おかず削りたての鰹節たっぷり2つかみ(80〜100g見当)を投入。鰹節が沈んだら濾す。これが一番だし。濾し取った鰹節は二番だし用においておく。
(3)骨切りした鱧の切り身に薄塩をし、片栗粉を軽くまぶす。水に酒、塩、昆布の粉末を加えて煮立たせ、鱧をさらっと湯通しする。
(4)適量の一番だしを鍋で沸かし、濃口醤油少々と塩で味を調え、適当な大きさに切った松茸を入れてひと煮立ち、香りを移す。
(5)椀に鱧、松茸を盛り、(4)のだしを張る。茹でたインゲンと吸い口の柚子、梅肉をあしらう。


二番だしは、一番だしに比べて鰹の風味が一段と強く、水色もぐっと濃い黄色になる。わずかながら酸味とエグミといった独特のクセもあるのでそのまま飲用には適さないが、その分コクが深く、旨み成分は多彩複雑になるので、淡白な野菜や豆腐などに味を含ませたい炊き合わせなどにはもってこい。また土台の味が強いだしなので、炊き込みご飯や丼物のだしなど、醤油味の際立った料理にも向く。
応用のきく二番だしだが、まずは基本の焚合せから。「吉兆流の焚合せは、実は意外に素朴な感じのするものが多いんです。一般の料亭では出されないような大胆な。たとえば小芋をだしで炊き、もろみ味噌を加えた二番だしで再度炊き上げるとか。それから言うと今日の焚合せは、少しすました感じかな」と徳岡さん。
長時間煮込んだわけでもないのに、塔婆豆腐にしっかりしみただしの深いこと深いこと。力強い二番だしにさらに追い鰹をした、濃厚なだしのなせる技。蒸したカボチャのほっくりした甘さ、菊菜に残るほろ苦さ、それぞれの持ち味を際立たせつつ、まとめ役になれるのも二番だしならでは。
和え物や合せ調味料にも適する二番だしは、作り置きが便利。焼いた香味野菜や、動物性のだしを加えて風味をを変えたりすることもできる万能選手。一番活躍度合いの高いだしである。


季節の焚合せ【二番だし】 器:四代目・清水六兵衛
作り方
(1)二番だしをとる。水2リットルに羅白昆布1/2枚、一番だしで使った鰹節に削りたての鰹節を少し加えて入れ、煮出す感覚で火を入れる。ひと煮立ちしたら、弱火で煮込む。鰹節と昆布を濾して完成。
(2)二番だしにみりんと酒各少々を加え、水切りした豆腐(『森嘉』製を使用)に粉をまぶして揚げた塔婆豆腐を炊く。仕上げに濃口醤油少々を入れ、味がなじんだら半つかみ分の鰹節をガーゼにくるんで加え、軽く煮込む。
(3)カボチャは一口大に切って面取りし、薄塩をして柔らかくなるまで蒸す。
(4)菊菜は下茹でして水に通して色止め。水気を搾って食べやすい長さに切り、塩ひとつまみと濃口醤油3〜4滴を加えた二番だしでさっと炊く。
(5)器にカボチャ、塔婆豆腐を盛り付け、(2)のだしを注ぐ。菊菜を形よく添えて、ミョウガの小口きりを天盛りにする。

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