京料理・懐石料理・日本料理の料亭「京都吉兆」トップページへ
京料理・懐石料理・日本料理の料亭「京都吉兆」の簡単ご予約 京料理・懐石料理・日本料理の料亭「京都吉兆」オンラインショップ
懐石料理の料亭「京都吉兆」へのお問い合わせ
京料理・懐石料理・日本料理の料亭「京都吉兆」トップページ 店舗紹介-嵐山店,花吉兆,京都リ−ガロイヤルホテル店,ホテルグランヴィア京都店,松花堂店- 料亭「京都吉兆」の今月の京料理・懐石料理 懐石料理におけるおもてなしと、茶時,魯山人,楽焼,バカラ等、器の文化 京料理・懐石料理・日本料理の料亭「京都吉兆」イベント 京料理・懐石料理・日本料理の料亭「京都吉兆」メディア紹介 京都嵐山の懐石料理の料亭「吉兆」徳岡邦夫のコラム
京料理・懐石料理・日本料理の料亭「京都吉兆」メディア紹介 新聞・雑誌等
2009年
2008年
2007年
2006年
2005年
2004年
2003年
2002年
2001年
2000年
1999年
京料理・懐石料理・日本料理の料亭「京都吉兆」メディア紹介 TV・ラジオ・他
TV・ラジオ・他
動画をご覧いただくためには
※動画をご覧いただくためには
Microsoft Media Player
が必要になります。
1 | 2 | 3 | 4 [ 前のページ | 次のページ ]

キーワード其の一
人材育成とサービス
27歳で京都嵐山に戻ってきた徳岡邦夫が、まず最初に着手したことは、人材の育成だった。昔ながらの料理の世界では、料理を運ぶ仲居さんと呼ばれる女性には、学歴など必要ないという考えが一般的だった。
ところが、徳岡が考えたのは、まず仲居の女性を短大、または4年制大学の卒業生を社員として採用するということ。何も高学歴者だけを求めるのではなく、多彩な才能ある人材を採用したかったのだ。下の図を見てもらいたい。これは、徳岡が社員に対 して、ミーティングで頻繁に使う理論だ。

A地点は、調理場。B地点は、料理を待つお客様のお部屋。吉兆では、料理の作られたA地点から、お客様が口にするB地点に移動する間に、Cの方向性を考え出せる人材を採用します」つまり、Cとは、客に対してどのように料理をサービスするかに始まり、これから5年後、10年後の、吉兆の目指すもの、あるべき姿を、現場から提案できることを意味する。これが、徳岡邦夫独自の「サービス論」だ。
徳岡邦夫の説く、サービス理論の最前線の現場。写真左=調理場から客間までの廊下。距離にして約10メートル。廊下はL字型の構造で、途中に4畳半ほどの待機スペースがある(写真中・右)。この待機スペースで、客に出す前の盛り付けを含めた最終的な作業を行う。もちろん、客に料理を出すタイミングも計る。まさにサービスという名の知的戦略ゲーム。
調理場では徳岡が司令塔となり指示を出す。
後ろのホワイトボードには、客のオー ダーに応えるためのデータが細密に書かれている。

「A地点からB地点に物を運ぶだけでなく、目の前にはないCという吉兆の可能性を実現しましょう」
調理場から客間、その間に、これからの吉兆の方向性を考えられる、そんな能力を持った人材を求めているのだ。
「ソニーのウォークマンが、カセットテープからCD、MDと形を変えながら進化したように、10年後の吉兆には、料理やサービスの延長線上にCという可能性が開花しているかもしれません。常にチャレンジし続けたいんです」
と、徳岡は言う。それぞれのスタッフが、環境の変化に対応しながら、独自の視点を持ち、随時提案を行いながら、料理やサービス、そして意識をも変えていこうとする、そんな蕾が膨らみ始めているようだ。
また、Cの中身としては、未来だけの吉兆ではなく、まさに”お座敷”という現場のサービスも含まれる。料理やお客の好みに合わせたワインの的確なセレクトやアドヴァイスなども出来るよう、スタッフが有志で勉強会を作っているのである。
他にも茶道、華道、書道の同好会も活発である。茶道や華道に通じる心遣いを自己啓発するためである。
同様のサービスを、海外のお客に対しても、よどみない英語で対応しながら提供する。なかには、徳岡がオックスフォード大学に吉兆のサービスについて論文を提出する際、徳岡のサービスの哲学や概念を口述筆記し、それを英文に訳し、さらには「吉兆のサービスの情熱や気持ちのヒダまで、英文に反映させてほしい」という徳岡のスペシャルなミッションもこなすものがいる。
また、ある女性社員は、就職活動で、全日空のキャビンアテンダントと吉兆の両方から内定を得たのだが、最終的にはサービスの領域の広さとこれからの可能性という理由で、吉兆への就職を選んだという。

なぜ、二人で10万円払ってまで食べに来たいのか?

現在、嵐山吉兆は、昼食3万6750円から、夜のコースも4万2000円から(ともに消費税、奉仕料込み)という料金設定である。そこに酒類をオーダーすると、ひとりあた り、だいたい5万円近い支払いになってしまう。この金額を高いとみるか、安いとみるか。また食後に、この金額を払うに値する満足を得られるかどうかが、客が店を評価するポイントとなってくるだろう。
昨今、顧客満足度を上げるべく、各企業はさまざまな努力をしているが、嵐山吉兆 は、はたしてどんな施策を行っているのだろうか。
「美味しさとは何でしょう? 私どもにお越し頂くお客様は、何を求めてお越しになるのでしょう? 美味しかったと言う言葉はほんとうでしょうか? お客様は、感動を求めているのです」
と徳岡は社員を鼓舞する。

太古、最も人間としてのフィジカル・パフォーマンスが優れているのはアフリカ だった。そこでは争いが常に繰り広げられ、勝ち残ったもののみ、その場にとどまっ た。しかし、闘争に敗れたものは、生存するためにその場から離れ、北のルート、南 のルートを辿り最終的に辿りついたのが、日本の中心、京の都だったという考え方。 フィジカル的には優れていなくても、すべてにおいて智慧を絞る工夫をして生存する という意識は、京都が最も優れているのではないかと、徳岡は独自の仮説を立てる。

調理場横にあるオフィス。徳岡にとってPCは不可欠なアイテムで、国内外とのコ ミュニケーションなどに活用。また女性スタッフからの提案でインターネット予約も始めた。
1 | 2 | 3 | 4 [ 前のページ | 次のページ ]
Copyright © 2006 kyoto kitcho. All Rights Reserved.
京都スローフード協会 食コミュニティー 湯木美術館 コンプライアンス委員会 エチエ農産
個人情報保護 会社概要 リクルート English