肝心の「料理と器」についてです。料理と器をいい関係にさせるのは、実は「盛り付け」です。盛り付け次第で、料理の雰囲気がグッと変わります。盛り付けのポイントには、色、味、方向、順番などがあります。料理と色バランスについては、おそらく日常的に考えていると思いますが、方向や順番などは、意外と見落としているのではないでしょうか。 例えば、お皿を重ねてみる、器のどちらを前にするか考えてみる、和紙で料理を包む、花や葉をあしらうなど。ちょっとしたことで、盛り付けの雰囲気ガラリと変わってきます。
料理を盛るとき、たいていは平面的に盛りますが、高く盛ると上品な感じ、それと、本来なら大皿に盛る料理も、小皿に分けて盛ってみるのもいいでしょう。お刺身を種類ごとに別の皿に盛るだけで、テーブルがにぎやかになります。もし一つの皿に違う料理を盛りつけるときは、味が混ざらないよう気を配りましょう。
料理を出す順番もポイントです。和食のコースでは、よく酢の物を先に出しますが、これは、酸っぱいものを食べてもらうことで食欲を増進する、という意味があるからです。反対に、「空腹そうだな」と思ったら、いきなりおなかにたまるようなメーンの料理を出してあげてもかまいません。食べてくれる人の食欲や体調に配慮してあげましょう。
いずれにせよ、一度にうまくはいかないかもしれません。しかし何度も繰り返すことで、家族が驚くような素敵な盛り付けができるようになります。