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外国人や、血中日本人濃度の薄い、欧米人化の進んだ今時の若者の目に、ひときわ眩しい「ザ・ニッポン」として映る琳派の意匠。波や風、月、雨、花、樹木など、日々移ろっていく精妙な自然の姿を抽象化しようとする琳派の営みは、なにか日本という的の中心を射抜いているらしい。であるならば、食材のみにとどまらず、季節の景物や雰囲気を盛りつけと器で表現することを最大のテーマとする日本料理は、そのコンセプトからして琳派と瓜ふたつ。
日本料理の大横綱、吉兆を創立した故・湯木貞一氏は、茶の湯の中で凝らされる季節の趣向に目を開かれ、「秋のふけいく風情とか(中略)春の駘蕩たる花の中に、秋知らぬ春の料理を味おうていただく。(中略)茶道と相通ずる日本料理の真髄というか季節感の極意に迫りたい」と、辻静雄氏との対談『吉兆 料理花伝』(新潮社)で述べている。季節感の表現の洗練を追求していけば、自ずと琳派の美意識と重なっていく。入江泰吉氏によって写し取られたその料理写真を見れば、蕨や土筆の銹絵をあしらった尾形乾山の向付に、筍の木の芽味噌和えが春山の稜線を描いて盛られ、かんてきで焼いていただく初夏の小鮎は、筏を組んだ青竹のところどころに窓を切って氷と一緒に納め、竹の合間にすくっとたてた燕子花がいっそう涼味を添える--といった趣向。ちなみにこの本の表紙を飾るのは、酒井抱一の「秋草図」である。
この料理×琳派のDNAを受け継ぐ京都吉兆嵐山本店は、庭、数寄屋はもとより、湯木翁以来の器、美術品が現在も座敷のしつらえとして宴席を彩り、料理と一体になって「季節感の極意」を演出している。「料理で琳派を」という、平生からそれが吉兆の料理そのものともいえるリクエストへの、徳岡邦夫総料理長による、三様の答えをご覧いただこう。
1品目の「三感焼きおにぎり」に、吉兆贔屓は虚を突かれ、琳派ファンはにやりとさせられる。よりにもよって、吉兆で握り飯?タネも仕掛けもない、見たとおりの「おにぎり」である。おかかと昆布のうま煮をまぜ込んだご飯は、片面には揚げた米粒をまぶし、片面は米油を塗って焼いてあるため、それぞれ異なるご飯の食感が口の中で賑やかに主張する。別に添えた海苔をパリッと巻いて召し上がれ。
これはかつて、同じように「あの人が、このシチュエーションで握り飯?」といぶかしがらせ、最後に「さすが」と大向こうを唸らせたエピソードに由来する。17世紀も末に差しかかり、文化の爛熟した京都の春の一日、豪商、大名たちが集まって花見の宴を張った。銘々が贅を尽くした弁当を持ち寄る中で、一人だけ竹皮に包んだ握り飯を頬ばって、平然としている物がいる。場にそぐわぬ、そして何ごとにも冴えたセンスを見せる彼に似つかわしくない、という囁きに耳を貸さず、食べ終わった竹皮を皮面へ放る。と、流れていく竹皮の内側には見事な蒔絵が施されていた。ビンボー転じて贅沢となす。鮮やかに一本決めた憎いあんちくしょうは、ご想像の通り、尾形琳派その人である。続いてど真ん中でストライクを取りに来たのは、「流水飾り 造里盛り込み」。かつら剥きした大根をさらに輪切りで波に見立てた荒磯の景色に、鯛のお造里で銀波金波を重ね、かの俵屋宗達「松島図屏風」を彷佛とさせる。3品目の「光琳飾り串打ち八寸」は、もやは余裕の趣向全回。もともととあるパーティーで供した、竹ひごに一口のオードブルというアイデアの発展系で、自ら花ばさみでひごを切っていただく、というものだ。カルダーのモビール、あるいは正月の餅花を思わせるユーモアに童心が刺激され、思わず正座を崩してしまいそう。
料理もしつらえも、日本のてっぺんを目指す限り、琳派から離れることはできない。全ての道は琳派へ通ず、なのである。

部屋によってお庭の眺めもいろいろ。こちらは一番広い、25畳の広間からの眺望です。
 
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