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一 裏白椎茸
味付けして柔らかく煮切った椎茸の笠の裏に片栗粉をつける。白身魚のすり身に松の実を入れ、椎茸とともにラップでくるんで茶巾状に形作り蒸しあげる。冷めたらラップをはずす。
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二 蓬が島
血合いの部分を除いた白身魚を昆布と塩で締める。赤、緑、白の三色になるように、京人参、きゅうり、山芋を巻き込んで、一番外側をおぼろ昆布で巻く。中国の蓬が島、蓬菜山は不老不死の願いが叶う霊山で、その山を象った縁起のいいおせち料理。 |
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三 洗い牛蒡
牛蒡を使った定番のおせちは"地に根を生やすように"との願いを込めて。牛蒡の皮をむき、酢水で一度アク抜きをし、食べやすい大きさに切り分ける。米ぬかを入れた湯で柔らかく湯がき八方地につけ味を染み込ませておく。いただく直前にすりたての胡麻と和える。柔らかめに炊けば"たたく"必要なく美味しい洗い牛蒡が出来上がる。 |
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四 鳥賊の黄身焼き
卵の黄身を酒、塩などで味付けし、包丁で細かい切り目を入れた鳥賊に黄身を塗り、弱火で焼く。それを3回ほど繰り返してゆく。 |
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五 フォアグラかぼす
中身をくりぬいたかぼすに山芋のマッシュをクリームで和えて底に詰める。その上に鶏そぼろとしたもの、なめらかにつぶしたフォアグラとを層にして最後コンソメゼリーでとめる。そのかぼすを輪切りにしたのが「嵐山 吉兆」特製のフォアグラかぼす。かぼすの香りと酸味、苦味が微妙に移いて味わい深い大人の一品。 |
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六 辛子蓮根
蓮根の穴を通して未来の見通しがつくという縁起をかついだもの。一節の蓮根を半分ほどの長さに切りわけ、蒸し器でフカフカになるまで蒸す。ぬるま湯で溶いた練り辛子を蓮根の穴に詰めて、表面にきなこをまぶし高温でさっと素揚げにする。冷めたら食べやすい大きさに切って出来上がり。 |
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七 海老二身焼き
白身魚のすり身と出汁、塩などの調味料を合わせ、さらにすりおろした山芋と合わせる。蒲鉾種を塗りつけてゆく。蒸し器で蒸したら出来上がり。腰を曲げて進む海老の姿を老人にたとえた長寿の願いを表す。 |
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八 八幡巻き
牛蒡はタワシでこすり洗いし、縦2又は4等分に割り酢水につける。米ぬかを入れた湯で柔らかく茹でてアクをとる。牛蒡を芯にして鰻をらせん状に巻きつけてゆく。白焼きにした後、蒸してタレとからませて煮る。最後に粉山椒をふる。 |