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日本の食文化と外国人の反応

東田:食育基本法というものができて、小さいときから食について正しい生活習慣をつけさせるということが非常に重要になってきています。先生のお立場から見て、子どもたちに、どういうことをしっかり教えたほうがいいか、アドバイスをいただければと思います。

徳岡:実際それをすごく思っていました。初めは、調理場で美味しいものを作りたいと思っていましたが、突き詰めていくと食材に行きあたったのです。京都の中で流通がうまく機能していなくて、よいものが入らないことに気がついて、生産者のところまで行ったのです。生産者といろいろ話していて、食の世界がすごく歪んでいるなと気づいたのです。次の世代の人たちが、一次産業の農業、水産業、酪農を継ごうと思っていない。そうなると自給率はもっと下がり、日本は食べ物を他の国に依存しなくてはならなくなる。今まで100円で売っていたトウモロコシを500円や1000円で買えという話になってくるのです。そうならないためにはどうしたらよいか。沢山の人に食に対する意識を高めてもらうしかないと。
初めは、年輩のリーダー的な方にいろいろ話をしたのですが、その方々は成功例があるせいか、なかなか自分を変えようとしていただけない。この人たちに言ってもしょうがない、もっと若い世代の人に言わなければならないと思い、小学校とか幼稚園で食の意識を高めるような話をしたのです。例えば幼稚園の先生方に集まっていただいて、今の子は、無農薬で作った絞りたてのジュースより市販されているもののほうが美味しいと言うかもしれないが、しかし、本能的なもの、生きるために必要なものを美味しいと、自然と感じてもらえるような教え方が必要なのではないか、という話をしました。また有機栽培でとれた胡瓜を、朝スーパーで買ってきたのと一緒に出してそのまま何もつけづに食べてもらったり大手メーカーが作っている醤油と吉兆で作ってもらっている醤油に、豆腐をつけて味見してもらったりして、どちらが好きですかと。いろいろしてきました。
お米も、ブランドでどれが好きですかと言うと、見た目がつやつやしていることを一番にする人がいれば、香りがよかったからとか、また口の中に入れた温度が熱かったからよいと言う人もいる。そのときの食感、喉ごしがどうだったとか、残った味がどうだったとか、いろいろな話をみんなですると、自分では感じていないところを他の人は感じて一位にしている場合があります。それを、みんなが自分の中に取り入れることによって生きる力、判断する基準ができてくる。その基準が味覚だったり、見た感じだったり、五感ですね。五感は人間が楽しむためにあるのではなくて、人間が生き続けるために必要とされる、危機回避するための能力だと思うのです。その五感、生きる力がどんどん無くなっているので、そういう能力を発達させるような授業を小、中学校で取り入れて欲しいし、コミュニケーションをする力というのを子どもたちにつけて欲しいと思います。
実際に料理屋さんが集まって、料理のノウハウを授業に取り入れてくださいということで、京都市では味覚、食材、料理といテーマに分けてカリキュラムを作り、五つの小学校で取り入れてもらっています。いろいろと問題も出てきますが、教科書を作ることを目標に頑張りたいと思います。

幼少期から「食」に対する意識を高める

東田:学校では教材がないわけですから、何を教えたらよいかわからない。いずれは作らなければならないと思います。

徳岡:それを今、実際に作って行こうということです。机上ではできないと思います。学校現場の方々、料理人や生産者などいろいろな人たちとのコミュニケーションをしながら、できないはずはないと思います。

東田:食材を提供する側、流通、料理を作る人、学校、そういう方々との関わりで。

徳岡:美術も、理科、社会、あらゆる学科が関わってきますし、道徳という部分もあると思います。

東田:教科の中で入り込めるのですね。今言われた道徳もありますし、社会もありますし国語もあります。給食だけでなく、すべての分野に関わるものが食だと思うのです。最後に、私たち栄養士が食の教育の中で伝えていかなければならないこと、アドバイスや参考になることをお教えいただきたいと思います。

徳岡:一人で考えるのではなく、教材を作るのも独り向けに話をするのではなく、横つなぎに話ができるような持っていき方が必要なのではないかと思います。
吉兆の場合でも、厨房だけに発信しても駄目ですしサービスの人だけに発信しても駄目です。サービスの人のAさんという人だけが意欲を持っていても、全体としては動かないのですね。だから、Aさんを中心としたサービスの人が全員意識が高くなるように、厨房は厨房で意識が高くなるように、そしてそれが連携できるような仕組み、システムを作らなければ全体が上がっていかない。
それと一次産業の活性化。農業、水産業の大変さとか立派さ、本当に必要な仕事であることをみなさんに理解して欲しいし、一次産業に就職したいと言う人が増える教育をして欲しい。それがないと、日本は他の国に牛耳られるような国になってしまうと思いますし、その中で、健全な地球の平和な環境はできないと思いますから。

東田:栄養教諭の仕事をしていくうえに貴重なアドバイスを、長時間ありがとうございました。

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