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数寄屋造りの座敷きに通され、「とても気持ちのいいお部屋。お庭も絵を見るようですね」と木村さん。床の間には結び柳に紅白椿。掛け物も森一鳳の「旭日静波」とめでた尽くし。料亭でのマナーも身につけたいという木村さんに女将は「お教えするなど、とてもとても。祖父、湯木貞一は主人から聞きますと、お客さまに楽しみ、喜んでいただくことを第一にと申しておりました。そして伝統を大切にしながら、時代に合ったお料理、空間、おもてなしをさせていただければと。まずは雉酒をどうぞ。昔、宮中で長寿を祈願して鶴酒をいただいた名残りとか」。かわらけに金箔を張った杯には焼き立ての雉の小片。そこへ熱燗を注ぐと芳しい香りが立ってきます。そして、新年ならではの先付け、歳徳向(としとくむこう)が供されます。子年にちなんだ俵形の子歳香合には、からすみ、ごまめ、数の子と祝いの肴が。そして野宮神社からいただく正月用のお箸「長寿は志」でお客さまの長寿を祈念しています。
京都吉兆 嵐山本店
嵐山に1948年から始まる名料亭。創業者、湯木貞一の孫、徳岡邦夫さんが総料理長として指揮をとる。昼懐石36,750円、夜懐石42,000(共に消費税、奉仕料込み。1月1日〜3日は特別料金)。
●11時半〜19時。水曜休み。年末休業。要予約。
京都市右京区嵯峨天竜寺芒の馬場町58 TEL:075-881-1101
歳徳向
新しい年が明けるとともに、年神といって、新しい年の神がやって来るとされ、陰陽家が歳徳神、歳徳と呼んだ。吉兆では正月、干支にちなんだ向付けを歳徳向と呼びならわしている。
きむら.よしの
東京都出身。テレビ、映画、舞台などで活躍中。日本観光広報大使として日本をPR。映画「全然大丈夫」(藤田容介監督)が新春ロードショーとして公開予定
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