会場となったトリノのホテル『メリディアン・トリノ・アート+テック』のレストラン。80名の定員だがすぐに完売予約待ちが出た。
開始時間は午後8時半。定刻にはほとんどのテーブルが埋まり、その期待の高さがうかがえる。ホテルのサービススタッフも総動員で、客の誘導から緊張が走る。一方、厨房では調理とサービスのスタッフが一体となって徳岡さんの料理を点検する。呼吸がピタリと合い、まるで全ての人間が『嵐山吉兆』のスタッフのような感じさえ受ける。下は蛤のスープ。湯葉と焼海老、青柚子、あさつきなどが入り葛で軽いとろみをつける。蛤のだしは京都から冷凍にして運んだものを使い、とろみはシェフと相談。