大原野小塩山の山腹に点在する堂宇の間を縫うように山桜や枝垂桜が咲き染める春、善峰寺はことに優雅な佇(たたず)まいを見せます。江戸時代に五大将軍、綱吉の母・桂昌院によって再建された時、桂昌院は姫小松と枝垂桜を自らうえたと伝えられています。
樹齢六百年の姫小松は、その姿が並に遊ぶ龍に似ていることから「遊龍の松」と称される国の天然記念物。桜の季節は花雲に遊ぶ龍よろしく、霞む花のなかでひときわ緑を際立たせます。老樹となった経堂前の枝垂桜もこぼれんばかりの美しさです。
【善峰寺】 京都市西京区大原野小塩町 TEL.075(331)0020 拝観料 500円 拝観時間 午前8時~午後5時 阪急バス「善峰寺」下車 阪急電車「長岡天神駅」下車
京のさくら紀行 洛西の桜