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同じく科学的アプローチを「選択肢の一つ」として受け入れ、料理界の発展に国を挙げて前進してきたのがスペインである。参加シェフの中では最年長、スペイン料理界の父ファン・マリ・アルサックは67歳の現在も、白粘土を使うなどアバンギャルドの領域をさらに押し進め、後輩たちを鼓舞する。続く「エル・ブジ」のフェラン・アドリアは2002年の初来日から今日に至るまで日本の食文化から受けた影響を、「恩返し」する意味も含んだ、特別バージョンのデモンストレーションを披露した。オブラート、柚子、抹茶、温泉卵など、日本で体験した様々な食が、エル・ブジ流の新しい解釈を加えて発表された。
「画家がパレットにできるだけたくさんの色を持ちたいと思うように、料理人も調理の選択肢が多ければ多いほど表現の世界は広がるのです。私も日本を知ることで多くの恩恵を受けました。どちらが正しくてどちらが正しくないかではなく、新しい技術や食材はまず自分たちの可能性を増やすものと捉えて下さい」
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