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学会先進国スペインの活躍は今回の東京テイストでも際立っていた。スペインで料理学会が盛んになった背景には、レシピを公開し、知識を共有することで全体のスキルアップが進むことを経験上、知っていたからである。始まりは1970年代半ば、「アルサック」のファン・マリ・アルサック氏らが始めた新・バスク料理運動が根底にある。現在のように大きな会場があってステージがある、という体裁ではなく、各レストランで11人のシェフが集まり、それぞれの顧客を5人ずつ呼んで新しい料理を披露するという活動だった。ここで技術を共有したことが後に、バスクを美食の都へ押し上げる原動力につながったのである。この精神を、国際的な学会として復活させたのがサン・セバスチャンで始まった「ロ・メホール・デ・ラ・ガストロノミア」である。昨年で10回を迎え、その間、マドリッドをはじめとしたスペイン各地、フランス、イタリアでも盛んに開催されるようになった。今年は日本だけでなく、オーストリア、ブラジルなどでも開催が予定されており、学会の広がりは世界的に本格化している。



 
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