2006年、東京ヤクルトスワローズで監督兼プレイヤーとして活躍した古田敦也氏。子供のころから、野球選手に憧れていたという古田氏だが、その一方で松下幸之助氏や、本田宗一郎氏の書籍も読み、影響を受けたとも話す。
「男の子が誰でも通る道ですよ」
と、照れ笑いを見せた。その柔和な笑顔からは、選手会長として、日本プロ野球機構側と議論を闘わせた人とは思えない。しかし、その裏側には、揺るがない強い意志を感じる。
「闘う、とか、改革というと、少し違う気がします。応援してくれるファンのために、より良い球界であるために、改善しなくてはならないことはしていきたい。そのためには、黙っていてはならないと思います」
その力は、日本中を圧巻し、球界の古い体質に新しい風を吹き込んだ。
「これまでに球団がなかった地方に新しい球団が誕生し、その土地の人たちが応援してくれる。球状がいっぱいになるということは、球界全体を盛り上げていく上で大切なことでしょう」
またヤクルトスワローズの球団改革のプロジェクトチーム「F-Project」も結成し、選手とファンの、新しいオープンな関係を築き始めている。
「07年は、一チームの監督として、選手として、優勝を目指します。そして、表参道をパレードしたいですね」
その活躍ぶりは、野球選手という枠にも、一チームの監督という立場にもおさまらず、より大きな視野で、球界全体を見通している。
1965年兵庫県生まれ。立命館大学卒業。90年ドラフト2位でヤクルトに入団。91年に首位打者、93年と97年にMVP受賞。2005年、東京ヤクルトスワローズ選手兼人監督に就任。www.yakult-swallows.co.jp