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2年ほど前、富山県氷見産の“雑魚”たちとの出会いがあった。氷見の漁業は南仏と似て魚種が豊富で、四季を通じて150種類以上もの魚が獲れる。特に初夏にかけては、メバル、小鯛、ホウボウなど小魚がたくさん揚がるのだが、地元では“雑魚”と呼ばれてなかなか市場に出なかった。「これを使わない手はない」と、三國シェフが現地へ何度も通って伝授した料理のひとつがブイヤベースである。氷見の魚は、富山湾の特殊な地形と、400年前から続く伝統漁法が育んだもの。自然と人との共生によって守られてきたこの地の宝なのだ。「越中式定置網」はもともと藁を編んで作った網で、かつて行われていたのは網自体も自然に返るという循環型漁法だった。改良を加えられて現在使われている網では、たとえば網目の大きさを調節して若い魚を逃がし、保護することもできる。乱獲が問題視される今、海の生態系を保ち、漁場にやさしいエコな漁法として、世界に広めたいと考えている。
氷見産の“雑魚”を、サフランが色鮮やかに香る南仏郷土料理に。
Kiyomi Mikuni
三國清三(シェフ) |
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1954年北海道・増毛町生まれ。帝国ホテルなどで修行の後、20歳で在スイス日本大使館料理長に就任する。4年間の勤務の傍らフレディ・ジラルデ氏に師事。その後もフランスの3ツ星レストランで修行を重ね、83年帰国。85年、東京・四ッ谷に『オテル・ドゥ・ミクニ』を開店。91年、ルレ・エ・シャトー協会に加盟。現在まで、日本を代表するフランス料理のシェフとして活躍。 |
Hotel De Mikuni
オテル・ドゥ・ミクニ
住所:東京都新宿区若葉1-18
tel.03-3351-3810
営業:ランチ12時〜14時30分LO、ディナー18時〜21時30分LO
休日:日曜夜・月曜
料金:「氷見のブイヤベース」時価(特別注文のみ)
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