「ダンフミ茶会」のクライマックス【薄茶】
懐石が無事に済み、広間に移って檀さんの薄茶点前が始まります。「檀さんの作った樂茶碗にしろ茶杓にしろなんというのか、大きくて包容力があります。もっと悪く言えば豪快なんだ。見た目と裏腹に」と老師。「ええ、ときどき私のことを女の皮をかぶった男だ、なんて言う人がいます、茶杓に使った竹も縦に長く割られておりまして、心模様でしょうか、それで深情け≠ネんていう銘なんです」と、なかなかのやりとりです。タイミングよく点てられた清々しい薄茶を一同味わい、四時間にも及んだ濃密な茶事を思い返します。檀さんはたった一年の稽古で立派に亭主を務めあげました。「怒涛の果に残る道」一年におよび苦労は、檀さんに茶の湯の道筋を残しました。
※広間に勢ぞろいした正客と読者の方々。茶会のメインイベントである檀さんのお手前を、和やかに見守る。