■八寸に盛り込んだ料理
「八寸」
茶事では海のものと山のものを合わせて二種、あるいは三種出すという決まりごとがありますが、料亭によっては、品数も料理の内容も様々です。珍味など、酒肴になりそうな料理が数品彩りよく盛られることが多いです。
「八寸」と言う料理には、7〜8種類の一口サイズの料理が盛り合わせになっています。嵐山吉兆では、最近お見え頂く方たちの召し上がる日本酒の量が減少している事を感じ取り、皆さんが楽しんで頂ける様、珍味類は減塩され化学調味料、他にケミカルなものを含有している物ではなく本物の珍味を一工夫して調味料として使うようにしています。また、これらの料理は、ワインの種類にあわせて趣向を凝らすなどといったことも考えています。
今回も7〜8種類の料理を使いますが、盛り込みの方法を重点的に説明しますので、料理そのものについては時間の関係でほぼ完成品を準備しました。盛り込む前にそれぞれの料理の最終的な仕上げを行います。今回準備した料理と簡単な作り方は以下の通りです。
7〜8種類の料理内容は下記の通りです(材料の都合で変わります)。
この中で珍しいのは、卵の黄身を醤油の中に漬けておくと温泉卵のように凝固することを利用した一品です。原理については、「卵が固まる温度について」を参照下さい。鶏で取ったスープに塩分を足し(濃度が分かれば嬉しい)、その中に入れておくと鶏スープ味の温泉卵が出来、塩牛乳の中に入れておけば、牛乳味の黄身が出来ます。
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