イタリアのピエモンテ州で生まれたスローフード協会
1989年に活動開始したにも関わらず、今や世界中に10万人以上もの会員を持つ。
「古くから伝わる食文化や家庭料理を地域から見直そう」をスローガンに、このスローフード運動は瞬く間に世界を席巻しつつある。
そのスローフードがピエモンテ州政府との共催により、1996年から隔年開催しているのが、食の祭典「サローネ・デル・グスト(Salone
del Gusto)」。今回で第5回目を迎えるこのイベントは、2004年10月21日から25日の5日間、ピエモンテ州・トリノで開催された。2002年の前回には会期中に約15万人もの入場者を集め、今や国際的に最大規模の食のイベントとなっている。
更に多くの注目を集めた今回のサローネのテーマは「食の共同体(Food Community)」。エコガストロノミーの精神を支える食の基本要素、「健全な土地」と「健全な共同体」に焦点を当てる。このテーマに則り、今回のサローネでは「母なる大地(Terra
Madre)」と名づけられた、世界各国の食生産コミュニティから5,000人の生産者代表を集めるという前代未聞の会議、「テッラ・マードレ(Terra
Mardre)」も開かれた。そして、この会議には、食に感心が高く有機農法に造詣がある、イギリス・チャールズ皇太子がスピーチを行った。この取り組みが如何に真剣で重要な意味を持つ取り組みであるかを物語っている。
さて、第5回目を迎えるこのイベントに、吉兆の徳岡邦夫が招聘された。徳岡氏に同行して、「サローネ・デル・グスト」を取材。日本の懐石料理は、如何にイタリア人に受け入れられたのだろうか。
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