すりこぎ・すり鉢
吉兆のゴマ豆腐。真っ白で、滑らかな舌触り、これを作り出すのになくてはならないのが、すり鉢。中の溝が深く、細かい目のもので、すりこぎで軽く叩くと、陶器にしてはかなり高い金属音が出る。磁器に近いシャープさが、よりよいすり味を生むのだ。すりこぎは昔は「ばめの木」や「さんしょの木」が多かったが、今は主に「朴の木」製。
醤油さし・油さし
先端にノズルがついたプラスチック製の容器。液体の調味料は、さじ加減とはいうものの、経験と自分の舌で量を決める場合がほとんどで、このノズルが大変便利なことに気が付いた。簡単に洗え、常に清潔な状態を保て、冷蔵庫で保管保存が可能、味や風味の変質を防げるなど、使い勝手はいい。既成概念を超え今に即した道具のひとつ。
器の写真
吉兆の器は、時代を経た美術品級のものであったり、吉兆だけのために製作されたものなど、食材と同じように吟味されたものばかり。その一点一点を写真に撮りファイルしている。料理を決める際に参考にするもので、かなり重要。食材、季節感などを踏まえながら、より適した器を選ぶ。おもてなしの心を移した欠かせない道具である。